山梨県では、産官民が連携して県産材の利用を促進する取り組みを行っています。木造の公共施設や公益性の高い施設の整備を進め、県産材利用を啓発する活動を通して、持続可能な社会の実現を目指しています。山梨県で建てられた非住宅木造建築の実例を集めてご紹介しています。地産材利用の状況などもまとめてみました。
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山梨県富士吉田市の「富士北麓公園」内にある「富士ウッドストレート」は、雨天でもトラック競技のトレーニングが行える屋内練習走路。130mの直線走路を5レーン設け、短距離走はもちろん、走り幅跳びやハードル、走り高跳びの突きなどの練習が可能です。
構造は木造平屋建て(CLT構造)。壁及び天井の構造材として、県産材のCLTパネルがされました。また、梁や天井の仕上げにも木材を使用。使用された木材の総量は625㎥で、そのうちCLT材が301㎥、LVL集成材が190㎥でした。
CLT構造の建築物として日本最長となるこの施設は、2018年に「平成30年度山梨県建築文化奨励賞 公共建築物等の部門」で入賞を果たしました。
山梨県南巨摩郡の「身延地区公民館下山分館」は、旧施設の老朽化に伴って新築された木造平屋建ての公民館です。「地域材を利用し、木の温もりがある地域にふさわしい木造建築物にする」という条例に従い、地域材をふんだんに使った木造施設となりました。使用された木材の総量は110㎥で、地域材はその8割に相当する89㎥。身延町によると、「利用者が木の温もりや安らぎに触れることで、地域の絆や郷土への愛などを感じられる施設」を目指しているとのことです。
山梨県では、産官民が連携する「Yamanashiウッド・チェンジ・ネットワーク」の運営を通じて県産材の利用を促進し、地域資源の活用によって持続可能な社会にシフトする取り組みを行っています。具体的には、木造公共建築物の整備や、県産材の良さや利用の意義などを広く知ってもらうための啓発活動を実施。木材の利用を活性化するため、木造建築技術者の育成なども行っています。
また、「やまなし県産材供給システム強化対策事業」と銘打って、サプライチェーンの強化にも努めるほか、住宅建築に対しては「県産材利用促進事業費補助金」による助成を行っています。
全国の非住宅木造建築の状況
木材を使用した公共建築物の建設は、2010年に「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が施行されて以降、国と自治体を中心に推進されていますが、まだまだ対応できる工務店や建築会社が少ないのが現状。
このサイトでは、非住宅木造建築の構造設計から委託できる企業を紹介。中規模・大規模・環境配慮といった案件テーマ別におすすめ企業を選定しているので、ぜひ参考にしてください。
非住宅木造建築において、構造設計から木材加工、調達、施工まで委託できる企業を紹介。造りたい建物ごとに強みがある企業をピックアップしているので、依頼に合わせて選択してください。
保育園・図書館
広さの異なる空間が混在する
中規模施設が得意
住宅用柱材に適したMIYAGAWA、大規模で特殊加工に適したHUNDEGGERやUNITEAM等の多彩な機械を保有。様々な広さ・空間へ適した機械を使い分けることで、設計や加工の自由度が広がります。木の特性をいかし意匠性が高く、愛される建築を実現します。
展示場・大規模ホール
大断面集成材を多く必要とする
大規模建築が得意
CLT木材の国内シェアNo.1(※1)を誇る供給力や、大断面集成材専用の工場を保有し量産体制を整えています。大規模建築物のような、多くの構造材が必要になる案件でも、納期を心配することなく安定して木材を確保することができます。
サステナブル施設・店舗
SDGsがテーマの
環境配慮建築が得意
サステナブル建築物等を推進し、先進的な技術を積極的に取り入れています。コンセプト立案から依頼でき、企業の環境配慮における取組姿勢や思いを設計やデザインなどに落とし込みます。企業イメージの向上や環境配慮の姿勢を対外的にアピールすることに繋がります。