島根県では、木造建築に取り組む建築士や工務店などの育成を通して、県産材を使用した木造建築を増やす取り組みを続けています。また、「しまねの木」活用建築士・工務店認定制度を導入し、PR活動を行っています。
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島根県奥出雲町にある「亀嵩小学校」は、校舎が木造2階建て、屋内運動場が木造平屋建てとなっています。建築にあたっては、可能な限り県産材が使用されました。柱は地元産のスギの集成材。梁はベイマツの集成材です。内外装は地元のスギの無垢板が用いられました。また屋根は、島根県産の石州瓦で葺かれています。
可能な限り県産の建材を使用した本校舎と屋内運動場は、2012年に第20回「しまね景観賞・公共建築部門」にて奨励賞を受賞しました。
島根県出雲市の「こぐま保育園」は、木造平屋建て。木材のほとんどを島根県産材でまかないました。外壁の腰部分に島根県産のスギ材、上部は珪藻土塗りとし、屋根は島根産の石州瓦を葺きました。石州瓦は周辺の住宅でも多用されているため、周囲の景観に馴染むように配慮したものです。
床は弾力のあるヒノキ材とし、裸足で遊ぶ子どもたちに配慮しました。壁はスギ材。床材、壁材、建具や家具はすべて島根の県産材です。柱や梁といった構造材は、出雲市内で伐り出されたものを使っていますが、大スパンを確保するために特に強度が求められる部分は、東北産のカラマツの集成材が使用されました。使用された木材の85%が島根産で、残り15パーセントは国産の集成材です。
島根県では、県内の建築士や工務店を対象として、木造建築に関する技術の習得や、知識の向上を目的とした活動を、支援する取り組みを行っています。また、「しまねの木」活用建築士・工務店認定制度を導入してPR活動を実施。これは、木造を手掛ける建築士、工務店を対象に講習会を開催し、一定の条件を満たした修了者を認定する制度です。
また県では、木造建築に意欲的に取り組む建築士のグループ「しまね木造塾」を支援してきました。10名でスタートしたしまね木造塾は、その会員数を200名とし、県内各地にモデル的な木造建築19棟が誕生しました。
全国の非住宅木造建築の状況
木材を使用した公共建築物の建設は、2010年に「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が施行されて以降、国と自治体を中心に推進されていますが、まだまだ対応できる工務店や建築会社が少ないのが現状。
このサイトでは、非住宅木造建築の構造設計から委託できる企業を紹介。中規模・大規模・環境配慮といった案件テーマ別におすすめ企業を選定しているので、ぜひ参考にしてください。
非住宅木造建築において、構造設計から木材加工、調達、施工まで委託できる企業を紹介。造りたい建物ごとに強みがある企業をピックアップしているので、依頼に合わせて選択してください。
保育園・図書館
広さの異なる空間が混在する
中規模施設が得意
住宅用柱材に適したMIYAGAWA、大規模で特殊加工に適したHUNDEGGERやUNITEAM等の多彩な機械を保有。様々な広さ・空間へ適した機械を使い分けることで、設計や加工の自由度が広がります。木の特性をいかし意匠性が高く、愛される建築を実現します。
展示場・大規模ホール
大断面集成材を多く必要とする
大規模建築が得意
CLT木材の国内シェアNo.1(※1)を誇る供給力や、大断面集成材専用の工場を保有し量産体制を整えています。大規模建築物のような、多くの構造材が必要になる案件でも、納期を心配することなく安定して木材を確保することができます。
サステナブル施設・店舗
SDGsがテーマの
環境配慮建築が得意
サステナブル建築物等を推進し、先進的な技術を積極的に取り入れています。コンセプト立案から依頼でき、企業の環境配慮における取組姿勢や思いを設計やデザインなどに落とし込みます。企業イメージの向上や環境配慮の姿勢を対外的にアピールすることに繋がります。