長野県では、「あたりまえ」に木のある暮らしを実現させるという目標を掲げて県産材の利用を促進しており、教育機関や公共機関の建築や内装に、県産材を積極的に採り入れています。長野県で建てられた非住宅木造建築の実例を集めてご紹介しています。地産材利用の状況などもまとめてみました。
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長野県佐久市の長野県立武道館は、南に八ヶ岳、北に浅間山を望む豊かな自然環境を活かし、武道と日本の自然とが一体となるような「凛としたたたずまいをもつ武道館」として計画されました。
この武道館はRC造で、主道場の屋根架構には鉄骨と木造(カラマツ集成材)のハイブリット構造を採用。床や天井にはカラマツやアカマツなどの県内産材が多く使われており、木材の使用量は600㎥にのぼります。この施設には地中熱ヒートポンプを使用した冷暖房が採用されており、その点でも環境負荷の低減に努めています。
長野県塩尻市の北部交流センター(えんてらす)は、支所や公民館、図書館、子育て支援センターといったさまざまな機能を備えた複合施設。地域全体で子どもたちを支え、育てていくための中核を担う施設として計画されました。木造の大型施設で、木材の総使用量500㎥のうち、長野県産材は半量の250㎥です。カラマツのCLT材を壁柱として使用したほか、柱や梁、桁はカラマツ集成材を使用。会議室の床にはクリ材が使用されています。
長野県では、『長野県県産材利用指針~あたりまえに木のある暮らしをめざして~』に基づいて、さまざまな取り組みを行っています。その筆頭が、木造公共施設の整備。温もりある教育・生活環境を作りだすと同時に長野県の木の良さをアピールすることを目的に、展示効果やシンボル性の高い木造公共施設の建設を進めています。
また、「信州木材認証制度」を制定。認証材の利用に助成金を支給して、利用を促進しています。「信州F・POWER」プロジェクトによって地元材を使った建材の製造を促進したり、端材をバイオマスに活用したりする取り組みも行っています。
全国の非住宅木造建築の状況
木材を使用した公共建築物の建設は、2010年に「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が施行されて以降、国と自治体を中心に推進されていますが、まだまだ対応できる工務店や建築会社が少ないのが現状。
このサイトでは、非住宅木造建築の構造設計から委託できる企業を紹介。中規模・大規模・環境配慮といった案件テーマ別におすすめ企業を選定しているので、ぜひ参考にしてください。
非住宅木造建築において、構造設計から木材加工、調達、施工まで委託できる企業を紹介。造りたい建物ごとに強みがある企業をピックアップしているので、依頼に合わせて選択してください。
保育園・図書館
広さの異なる空間が混在する
中規模施設が得意
住宅用柱材に適したMIYAGAWA、大規模で特殊加工に適したHUNDEGGERやUNITEAM等の多彩な機械を保有。様々な広さ・空間へ適した機械を使い分けることで、設計や加工の自由度が広がります。木の特性をいかし意匠性が高く、愛される建築を実現します。
展示場・大規模ホール
大断面集成材を多く必要とする
大規模建築が得意
CLT木材の国内シェアNo.1(※1)を誇る供給力や、大断面集成材専用の工場を保有し量産体制を整えています。大規模建築物のような、多くの構造材が必要になる案件でも、納期を心配することなく安定して木材を確保することができます。
サステナブル施設・店舗
SDGsがテーマの
環境配慮建築が得意
サステナブル建築物等を推進し、先進的な技術を積極的に取り入れています。コンセプト立案から依頼でき、企業の環境配慮における取組姿勢や思いを設計やデザインなどに落とし込みます。企業イメージの向上や環境配慮の姿勢を対外的にアピールすることに繋がります。