福井県では、林業の活性化と森林の整備を推進するために、県産材を使った公共施設の整備を支援したり、「ふくいの木づかい企業」登録制度を設けて県民にPRしたりといった取り組みを行っています。福井県で建てられた非住宅木造建築の実例を集めてご紹介しています。地産材利用の状況などもまとめてみました。
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福井県若狭町にある福井県年縞博物館は、若狭湾岸の水月湖の湖底から採掘された約7万年前の堆積地層、「年縞」を展示・研究するための施設。RC造の壁に木造の切妻屋根をかけた混構造の建物です。
同博物館は三方湖の湖畔にあり、洪水が発生しやすい立地であることから、1階部分にはエントランスとピロティのみを造設。展示スペースは、浸水のリスクがない2階に設けられています。床や屋根、軒天まで福井県産の木材が豊富に使用されていますが、積雪による荷重を考慮して、特に負荷がかかる部分は鉄骨で補強されました。
福井県越前市の「紙の文化博物館」は、およそ360種類の越前和紙と1,000種の全国の和紙に加えて、国の重要有形民俗文化財に指定されている古紙や、紙漉きの道具などを収蔵・展示する施設。産地ならではの和紙作品の紹介も行っています。建物は木造平屋建てで、大きな和紙作品を展示することができる高い天井が特徴。古民家を思わせる太い丸柱が、ひときわ目を惹きます。この施設には83.3㎥の木材が使用されており、そのうちの8割が福井県産材となっています。
県の面積の75%を森林が占める福井県(※)にとって、林業の活性化と森林の整備は、洪水や水不足、土砂災害を未然に防いで県土を保全するための、重要な政策課題です。同県は「木とのふれあい施設づくり推進事業」を展開し、県産材を使用して地域のシンボルとなる木造公共施設を整備する際の助成を行ってきました。この事業の支援を受けて、さまざまな資料館や交流センターが整備されています。
また、県産材を率先して利用することを自ら宣言した企業を「ふくいの木づかい企業」として登録、県民にPRする取り組みや、県産材を活用した「ふくいの住まい支援事業」なども行っています。
全国の非住宅木造建築の状況
木材を使用した公共建築物の建設は、2010年に「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が施行されて以降、国と自治体を中心に推進されていますが、まだまだ対応できる工務店や建築会社が少ないのが現状。
このサイトでは、非住宅木造建築の構造設計から委託できる企業を紹介。中規模・大規模・環境配慮といった案件テーマ別におすすめ企業を選定しているので、ぜひ参考にしてください。
非住宅木造建築において、構造設計から木材加工、調達、施工まで委託できる企業を紹介。造りたい建物ごとに強みがある企業をピックアップしているので、依頼に合わせて選択してください。
保育園・図書館
広さの異なる空間が混在する
中規模施設が得意
住宅用柱材に適したMIYAGAWA、大規模で特殊加工に適したHUNDEGGERやUNITEAM等の多彩な機械を保有。様々な広さ・空間へ適した機械を使い分けることで、設計や加工の自由度が広がります。木の特性をいかし意匠性が高く、愛される建築を実現します。
展示場・大規模ホール
大断面集成材を多く必要とする
大規模建築が得意
CLT木材の国内シェアNo.1(※1)を誇る供給力や、大断面集成材専用の工場を保有し量産体制を整えています。大規模建築物のような、多くの構造材が必要になる案件でも、納期を心配することなく安定して木材を確保することができます。
サステナブル施設・店舗
SDGsがテーマの
環境配慮建築が得意
サステナブル建築物等を推進し、先進的な技術を積極的に取り入れています。コンセプト立案から依頼でき、企業の環境配慮における取組姿勢や思いを設計やデザインなどに落とし込みます。企業イメージの向上や環境配慮の姿勢を対外的にアピールすることに繋がります。