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非住宅木造建築のリノベーション

現在、非住宅木造リノベーションが注目されています。こちらの記事では、なぜ非住宅木造リノベーションが注目されているのかといった点や、リノベーションにおける難しさやポイントなどついて解説しています。

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非住宅木造リノベーションが注目される背景

近年、非住宅木造リノベーションが注目されており、公共・民間問わず既存木造建築を利活用する、というケースが増加しています。これまでは、「壊して建て直す」が主流だったものの、近年ではコストや環境負荷の抑制などの観点から、再生(リノベーション)がトレンドとなっています。

また既存の木造建築のリノベーションにより、長年地域に親しまれた古い木造建築を壊さずに再生させられるため、地域住民の愛着を維持するとともに、地域価値の向上に寄与することが期待できます。

このような背景から、旅館やオフィス、保育施設、商業施設などの非住宅分野において、改修へのニーズが顕著となっています。

非住宅木造リノベーションの難しさ

非住宅木造リノベーションはさまざまな背景から注目されているものの、難しいとされている面もあります。

例えば、木造建築の場合には建てられてから長い時間が経過していることによって構造が老朽化している可能性が考えられます。このような建築物において、安全性や耐震性をどう確保するのかが問題となってきます。また、例えば旅館として使用されていた建築物をオフィスや店舗などに用途変更するにあたり、法規・性能基準にどう対応していくのか、設備の更新や断熱改修、耐火要求など、現代の基準にどのように適合させていくかも課題として挙げられます。

以上から既存建築物の構造の調査を十分に行うことに加えて、補強設計が精度を左右するといえます。

非住宅木造リノベーションの価値

上記のような課題がある反面、非住宅木造リノベーションにはさまざまな価値があるとされています。

例えば、リノベーションは新築よりも環境負荷を抑えられるとともに、コスト効率が高い再生手法である点や、木材特有の風合いを生かした建築が可能である点や地元材の活用による地域産業の活性化、地域の特色を生かした建築文化の形成が可能であるという面があります。また、歴史ある建築物を活かすことで文化的な資産や地域の景観を残しつつ、新しい用途や機能を持たせることが可能となります。

さらに、「ストック型社会」や「脱炭素経営」を推進したい法人にとっても非住宅木造リノベーションは有効な方法であるといえます。

非住宅木造リノベーションのポイント

非住宅木造リノベーションを行う際には、いくつかポイントがあります。ここでは、「構造診断・補強設計」「耐震改修手法」「耐火性・断熱性」「非住宅用途対応設計」という4点についてまとめていますので、リノベーションを検討する際に参考にしてください。

構造診断・補強設計の重要性

非住宅の古い建物をリノベーションする際には、構造診断や補強設計が非常に重要です。具体的には、構造計算によって安全性の確認を行うことに加えて、柱や土台の腐朽やシロアリによる損傷など、劣化度の調査を行って目に見えない建物の状態を把握し、状況に応じた対応を行っていく必要があります。

耐震改修手法

非住宅木造リノベーションを行う場合には、古い建物であるため耐震改修を行うことが非常に重要です。現行の耐震基準に対し、リノベーションを行う建物がどの程度の強度を持っているかを確認した上で、どこをどれだけ補強すべきかを検討します。耐震性を高める手法としては、合板耐力壁を追加する、金物補強を行う、集積材フレームを挿入するといった方法が考えられます。

耐火性・断熱性の向上

非住宅の場合、不特定多数の人が利用するため、厳しい耐火・防火規制が課せられます。木の質感を生かした内装にしたい場合には、単純に木を張るだけではなく、火災時に燃え広がらないように対策することが求められます。

また、リノベーションを行う際には断熱材を追加することによって建物の性能を強化するのも重要なポイントとなります。

非住宅用途対応設計

オフィスや店舗などの非住宅として機能させるため、用途変更に対応した計画を立てる必要があります。

例えば荷重条件の変化への対応を行うための床組の補強などに加えて、最短かつ安全な避難経路を確保するレイアウト設計など、リノベーション後の用途に合わせた設計を行うことが求められます。

まとめ

こちらの記事では、非住宅木造建築のリノベーションに関する情報をまとめてきました。

非住宅木造リノベーションは、高度な建築技術と設計力が求められる分野です。このような点から、実際にリノベーションを行う場合には、既存の建物の再生可能診断や構造補強計画に関するノウハウを持ったパートナーとの協業を行っていくことが成功につながる鍵であるといえます。

本サイトでは、非住宅木造建築において構造設計から委託できる会社を紹介しています。ぜひリノベーションの計画や調査、設計サポートについて相談してみてはいかがでしょうか。

非住宅木造の構造設計から
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大東建託 「ROOFLAG賃貸住宅未来展示場」イメージ
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SDGsがテーマの
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物品販売店舗・事務所イメージ
引用元HP:住友林業公式HP
(https://sfc.jp/mocca/case/case03_07.html)

サステナブル建築物等を推進し、先進的な技術を積極的に取り入れています。コンセプト立案から依頼でき、企業の環境配慮における取組姿勢や思いを設計やデザインなどに落とし込みます。企業イメージの向上や環境配慮の姿勢を対外的にアピールすることに繋がります。

【選定条件】
2024/05/10時点、木造建築物を中心とした普及・発展の取り組みを行う「一般社団法人日本CLT協会」のHPにて、正会員かつ相談先企業として掲載されている35社(※2)のうち、構造設計を委託できる旨を確認できた19社を選定。
そのうち、建築物の依頼別に以下企業を選定しています。
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・環境配慮建築(住友林業)…サステナブル建築物等先導事業など新しい技術を取り入れていることから、環境配慮建築に適していると判断。
※1参照元:銘建工業公式(https://www.meikenkogyo.com/recruit/number/)2022年日本CLT協会調べ
※2参照元:一般社団法人日本CLT協会(https://clta.jp/partner/?this_partner_field%5B%5D=構造設計&searchText=