石川県で建てられた非住宅木造建築の実例を集めてご紹介しています。地産材利用の状況などもまとめてみました。
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伝統的な七尾町家をイメージしてつくられた、木造瓦葺平屋2棟の事例です。1棟は花嫁のれん館として使われており、地域に伝わる伝統的な風習の「花嫁のれん」を常設しています。この事例では大断面集成材やトラス構造を使わず、無垢材を使って在来工法で建てられました。
墨付・仕口・継手といった木材加工も伝統工法継承のために採用。伝統と風習を後世に残すための建築としても設計されています。また間伐材を積極的に使用していることも特徴のひとつ。たとえばスギ材の溝蓋を建物の周囲に配置して、違和感のないデザインとしました。
ハレノチクモリは、手作りの遊具やおもちゃにこだわってつくられた子ども向け屋内施設。製材業を営む会社がグループ内にあるため、木を活かした地域の遊び場として設計されました。建設にあたっては、在庫として眠っていた間伐材や廃材を再利用しています。
ほとんどは石川県産で、よく使われているのは加工しやすくて香りもいい「加賀スギ」。遊具がどれも木でできていて、小さなおもちゃから滑り台まですべて木の手触りを感じながら遊ぶことができるというもの。子どもの五感を刺激する、魅力的な遊び場になりました。
石川県では、木材利用を通じて森林所有者の収益力を向上させ、木材の市場供給を促進するところから地産材の利用推進をはじめています。林業の低コスト・収益性の向上のためにICTを活用し、生産コストの25%削減を目標としました。
国土交通省建築着工統計調査(各年度)のデータを元に林野庁が試算した資料によると、石川県の公共建築物の木造率(延べ床面積ベース)は2010年で9.5%となっていましたが、2017年には20.5%、2018年には20.1%と、木造化・木質化は進められている様子です。これらの木造建築のうち地産材がどれくらい使われているかはわかりませんが、地域の木材がある程度使われていることは予想できます。
全国の非住宅木造建築の状況
木材を使用した公共建築物の建設は、2010年に「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が施行されて以降、国と自治体を中心に推進されていますが、まだまだ対応できる工務店や建築会社が少ないのが現状。
このサイトでは、非住宅木造建築の構造設計から委託できる企業を紹介。中規模・大規模・環境配慮といった案件テーマ別におすすめ企業を選定しているので、ぜひ参考にしてください。
非住宅木造建築において、構造設計から木材加工、調達、施工まで委託できる企業を紹介。造りたい建物ごとに強みがある企業をピックアップしているので、依頼に合わせて選択してください。
保育園・図書館
広さの異なる空間が混在する
中規模施設が得意
住宅用柱材に適したMIYAGAWA、大規模で特殊加工に適したHUNDEGGERやUNITEAM等の多彩な機械を保有。様々な広さ・空間へ適した機械を使い分けることで、設計や加工の自由度が広がります。木の特性をいかし意匠性が高く、愛される建築を実現します。
展示場・大規模ホール
大断面集成材を多く必要とする
大規模建築が得意
CLT木材の国内シェアNo.1(※1)を誇る供給力や、大断面集成材専用の工場を保有し量産体制を整えています。大規模建築物のような、多くの構造材が必要になる案件でも、納期を心配することなく安定して木材を確保することができます。
サステナブル施設・店舗
SDGsがテーマの
環境配慮建築が得意
サステナブル建築物等を推進し、先進的な技術を積極的に取り入れています。コンセプト立案から依頼でき、企業の環境配慮における取組姿勢や思いを設計やデザインなどに落とし込みます。企業イメージの向上や環境配慮の姿勢を対外的にアピールすることに繋がります。