広島県では、「3階建て以下で延床3,000平方メートル以下の建築物」を対象に、公共施設の木造化を進めています。また、木造建築に精通した建築士の養成を目指し、講習会や見学会を開催するなどしています。
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広島県庄原市の「庄原市立庄原小学校」。木造と一部RC造の2階建ての校舎は、クラシックな外観が印象的です。校舎の中央が長く吹き抜けになっており、吹き抜けを挟んで両側に教室が並ぶ構造。吹き抜け上部には越屋根があって、たっぷりと光が差し込みます。また、階段下にはデンがあり、友達と並んで腰をかけておしゃべりをしたり、本を読んだりできるようになっています。
この校舎では、構造材と内装仕上げ材のほとんどに、地元庄原市産の木材が使用されました。
広島県安芸太田町の加計中学校の体育館は、木造、一部鉄骨造の混構造。大断面集成材を用いたトラス構造によって、大空間を確保しました。「木造らしさを見せる」ことをコンセプトとしており、構造材や屋根架構を現しにして、木質を余すところなく見せています。外側に関しては、積雪の多い地域であることから木架構を露出させていませんが、窓越しに構造材を見ることができます。
この体育館の建築には、町内産の木材が多く使われています。また、体育館の看板は、旧体育館北側に生えていた桜から作られたもの。建て替えに伴って伐採されたものの、そのまま捨てるには忍びないと、看板が作られました。
広島県では、「広島県公共建築物等木材利用促進方針」を策定し、公共建築物の木造化・木質化を進めています。この方針は、2018年までは「2階建て以下で延床1,000平方メートル以下の建築物」を対象としてきましたが、2019年より「3階建て以下で延床3,000平方メートル以下の建築物」に対象範囲を拡大し、取り組みを進めることになりました。
また同県では、木造建築に精通した建築士の育成に力を入れています。これまでに、木造建築プロジェクトへの講師派遣や、建築士のスキルアップを目的とした研修・見学会を開催したほか、県産材による木造建築の手引き書を作成しました。
全国の非住宅木造建築の状況
木材を使用した公共建築物の建設は、2010年に「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が施行されて以降、国と自治体を中心に推進されていますが、まだまだ対応できる工務店や建築会社が少ないのが現状。
このサイトでは、非住宅木造建築の構造設計から委託できる企業を紹介。中規模・大規模・環境配慮といった案件テーマ別におすすめ企業を選定しているので、ぜひ参考にしてください。
非住宅木造建築において、構造設計から木材加工、調達、施工まで委託できる企業を紹介。造りたい建物ごとに強みがある企業をピックアップしているので、依頼に合わせて選択してください。
保育園・図書館
広さの異なる空間が混在する
中規模施設が得意
住宅用柱材に適したMIYAGAWA、大規模で特殊加工に適したHUNDEGGERやUNITEAM等の多彩な機械を保有。様々な広さ・空間へ適した機械を使い分けることで、設計や加工の自由度が広がります。木の特性をいかし意匠性が高く、愛される建築を実現します。
展示場・大規模ホール
大断面集成材を多く必要とする
大規模建築が得意
CLT木材の国内シェアNo.1(※1)を誇る供給力や、大断面集成材専用の工場を保有し量産体制を整えています。大規模建築物のような、多くの構造材が必要になる案件でも、納期を心配することなく安定して木材を確保することができます。
サステナブル施設・店舗
SDGsがテーマの
環境配慮建築が得意
サステナブル建築物等を推進し、先進的な技術を積極的に取り入れています。コンセプト立案から依頼でき、企業の環境配慮における取組姿勢や思いを設計やデザインなどに落とし込みます。企業イメージの向上や環境配慮の姿勢を対外的にアピールすることに繋がります。