病院や福祉施設、学校や庁舎の建築にぜひ取り入れたい、住宅以上の温かみが感じられる非住宅木造建築。こちらでは、熊本県の地域材を使った建築事例をまとめて紹介しています。
目次閉じる
木造平屋の新設校舎・屋内運動場(新設体育館)・既存改修校舎」を手掛けたプロジェクトの事例です。画像は延床面積839.77平方メートルの、木造地上1階建て屋内運動場(新設体育館)。すべての木材に県産材を使用した建築で、このプロジェクトは、2015年の木材活用委員会「第19回木材活用コンクール」で最優秀賞の農林水産大臣賞を受賞。
大きな空間を確保するための架構に、地元産のアヤスギの無垢材を使用し、製材を積層してエポキシ樹脂で圧着した、束ね重ね材と呼ばれるBP材の技術を導入した構造です。仕口がすべて異なるためにミリ単位での加工が必要で、地元の熟練大工の技が活きた建築となっています。
地元の無垢材の消費も実現でき、木材の地産地消に貢献した体育館となりました。
延床面積3253.51平方メートルの、純木造3階建て庁舎の事例です。もとはRC造で計画されていたものを木造に変更しました。天草産のスギの集成材を用いて、構造はもちろん内装も地産地消の木材で建築しています。
また地域防災拠点機能として災害時に本部機能を発揮できるよう、サミットHR工法を採用して耐震性を確保。さらにドーム状の屋根は台風などの強風を受け流す形状で、防風対策もしっかり行っています。
2021年に県産材需要拡大県民運動推進会議を開催した熊本県は、中大規模建築物への木材利用促進や、県の公共施設の木造化、市町村における木造住宅への支援などを推進することを協議しました。また豪雨の際の応急仮設住宅を木造にしたり、地域の景観づくりにも積極的に木材を取り入れています。県産材の利用を促す一方で、県民への木育として、県のキャラクターくまモンを採用した小中学生向けのガイドブックも作成しています。
国土交通省建築着工統計調査(各年度)のデータを元に林野庁が試算した資料によると、熊本県の公共建築物の木造率(延べ床面積ベース)は、地域材という条件は含まれていませんが、2010年の11.8%から2019年の14.0%まで一連に比較すると著しい伸びはありませんでした。しかしその間に2012年に18.5%、2015年に19.6%を達成するなど、推移には波が見られます。
全国の非住宅木造建築の状況
木材を使用した公共建築物の建設は、2010年に「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が施行されて以降、国と自治体を中心に推進されていますが、まだまだ対応できる工務店や建築会社が少ないのが現状。
このサイトでは、非住宅木造建築の構造設計から委託できる企業を紹介。中規模・大規模・環境配慮といった案件テーマ別におすすめ企業を選定しているので、ぜひ参考にしてください。
非住宅木造建築において、構造設計から木材加工、調達、施工まで委託できる企業を紹介。造りたい建物ごとに強みがある企業をピックアップしているので、依頼に合わせて選択してください。
保育園・図書館
広さの異なる空間が混在する
中規模施設が得意
住宅用柱材に適したMIYAGAWA、大規模で特殊加工に適したHUNDEGGERやUNITEAM等の多彩な機械を保有。様々な広さ・空間へ適した機械を使い分けることで、設計や加工の自由度が広がります。木の特性をいかし意匠性が高く、愛される建築を実現します。
展示場・大規模ホール
大断面集成材を多く必要とする
大規模建築が得意
CLT木材の国内シェアNo.1(※1)を誇る供給力や、大断面集成材専用の工場を保有し量産体制を整えています。大規模建築物のような、多くの構造材が必要になる案件でも、納期を心配することなく安定して木材を確保することができます。
サステナブル施設・店舗
SDGsがテーマの
環境配慮建築が得意
サステナブル建築物等を推進し、先進的な技術を積極的に取り入れています。コンセプト立案から依頼でき、企業の環境配慮における取組姿勢や思いを設計やデザインなどに落とし込みます。企業イメージの向上や環境配慮の姿勢を対外的にアピールすることに繋がります。