京都府は、「ウッドマイレージCO₂京都」や「京都の木証明書」といった認証制度を導入。公共建築物の木造化・木質化を推進したり、木造の民間施設の建設を支援したりすることで、府産材の需要喚起に努めています。
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京都市の二条駅近くに建つ「京都木材会館」は、構造材に京都府産材を100%使用した純木造の4階建て。構造体だけでなく、内外装に様々な木の使い方が散りばめられており、建物がそのまま府産材のサンプルになっています。エントランスを入ってすぐの細い柱が林立するギャラリーは、「まちなかの森」をイメージしたもの。2階に続く階段では、一段ずつ異なる樹種が使われています。
ビル外観でひときわ目を惹くのは、2階に設置されたルーバーです。杉の無垢板を相欠きにして組んだルーバーは、季節や天候によって角度を自由に変えられます。強い日差しを程よく遮り、冬には日差しをたっぷり採りこみ、通風も自在にコントロール可能です。
この建物は、2017年に木材利用推進中央協議会主催「木材利用優良施設 農林水産大臣賞」、2016年に一般社団法人日本ウッドデザイン協会主催「ウッドデザイン賞 ソーシャルデザイン部門」などを受賞しました。
京都府京丹後市の「大宮北保育所」は、保育園に子育て支援センターと放課後児童クラブを併設した複合施設です。木造の建物であることがわかりやすいように、部分的に吹き抜けを造り、梁や垂木が見えるように造られました。吹き抜け部には高窓が設置され、通風や採光面でも活用されています。内装にも木を多用しており、床と腰壁、天井を木材で仕上げました。
異なる年齢層の子どもたちが出入りすることから、歩行者と車の動線を分離して、通所しやすいように配慮しています。この建物は、「京都府内産木材活用優良施設コンクール」で入賞を果たしました。
京都府では「公共建築物等における京都府産木材の利用促進に関する基本方針」を策定。府が整備する公共建築物等における京都府産木材の利用を積極的に進めています。
また、「住宅以外の民間施設の府内産木材を利用した木造化・木質化を図る取組を支援することで、府民が木とふれあい、身近に感じる環境を拡大し、森林資源の循環利用や地球温暖化防止等に役立てる」という趣旨により、民間の非住宅木造の建設に際し、「ウッドマイレージCO₂京都」の認証材や、「京都の木証明書」が発行された京都府産木材の購入費の一部を助成する取り組みを行っています。
全国の非住宅木造建築の状況
木材を使用した公共建築物の建設は、2010年に「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が施行されて以降、国と自治体を中心に推進されていますが、まだまだ対応できる工務店や建築会社が少ないのが現状。
このサイトでは、非住宅木造建築の構造設計から委託できる企業を紹介。中規模・大規模・環境配慮といった案件テーマ別におすすめ企業を選定しているので、ぜひ参考にしてください。
非住宅木造建築において、構造設計から木材加工、調達、施工まで委託できる企業を紹介。造りたい建物ごとに強みがある企業をピックアップしているので、依頼に合わせて選択してください。
保育園・図書館
広さの異なる空間が混在する
中規模施設が得意
住宅用柱材に適したMIYAGAWA、大規模で特殊加工に適したHUNDEGGERやUNITEAM等の多彩な機械を保有。様々な広さ・空間へ適した機械を使い分けることで、設計や加工の自由度が広がります。木の特性をいかし意匠性が高く、愛される建築を実現します。
展示場・大規模ホール
大断面集成材を多く必要とする
大規模建築が得意
CLT木材の国内シェアNo.1(※1)を誇る供給力や、大断面集成材専用の工場を保有し量産体制を整えています。大規模建築物のような、多くの構造材が必要になる案件でも、納期を心配することなく安定して木材を確保することができます。
サステナブル施設・店舗
SDGsがテーマの
環境配慮建築が得意
サステナブル建築物等を推進し、先進的な技術を積極的に取り入れています。コンセプト立案から依頼でき、企業の環境配慮における取組姿勢や思いを設計やデザインなどに落とし込みます。企業イメージの向上や環境配慮の姿勢を対外的にアピールすることに繋がります。