愛知県では非住宅木造を手掛けられる技術者の育成に力を入れることで、地元材の積極的な活用につなげようとしています。あいち認証材の使用を増やし、森から都市までを持続的に活性化する試みが続けられています。
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愛知県尾張旭市にある愛知県森林公園の案内所は、公園の案内所と野外演舞場、バーベキュー場などの利用受付、食堂、多目的室を兼ねた建物です。構造の一部にCLTを使用した木造平屋建てで、林野庁による2018年度「林業・木材産業成長産業化促進対策交付金事業」の支援を活用しています。構造材や仕上げ材はあいち認証材、屋根には三州瓦と、地場産の建材を積極的に採用。木材の使用量は121㎥で、そのうちの97%に相当する118㎥があいち認証材でした。
愛知県丹羽郡の大口町立北保育園のイメージは、なんと武家屋敷。園庭をぐるりと回廊が囲み、その外側に三州瓦を葺いた堂々たる園舎が建っています。
園舎は在来軸組構法の平屋建て。500㎡ごとにRC造の耐火建築物を設置することで、大型木造建築物としています。玄関を入ると目に飛び込んでくるのは、自然の風合いを残した大柱。頭上には集成材の大梁が巡らされており、床はすべて板張りです。腰壁に使用されたスギは、豊根村で育ったもの。この建物の木材使用量は549.81㎥で、205.03㎥があいち認証材でした。
本園舎は、2019年の「第3回あいち木づかい表彰」において最優秀賞を受賞しました。
愛知県では、愛知建築士会と愛知県木材組合連合会が中心となって「環境都市実現のための木造化・木質化推進あいち協議会」を設立。森林から都市までの持続的な活性化の実現と、低炭素・循環型社会へのシフトを目標として活動しています。
同協議会では、木造化率が低い非住宅分野での木造化・内装木質化を重点目標としており、木造化に精通した技術者を育成すべく、木造建築育成講座を開催。木造建築物に必要な法的手続き、構造設計や防耐火性、木材の耐久性、省エネ・温熱環境設計などを統計的に学べる仕組みを構築しました。また、伐採現場やプレカット工場での研修なども盛り込まれています。
全国の非住宅木造建築の状況
木材を使用した公共建築物の建設は、2010年に「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が施行されて以降、国と自治体を中心に推進されていますが、まだまだ対応できる工務店や建築会社が少ないのが現状。
このサイトでは、非住宅木造建築の構造設計から委託できる企業を紹介。中規模・大規模・環境配慮といった案件テーマ別におすすめ企業を選定しているので、ぜひ参考にしてください。
非住宅木造建築において、構造設計から木材加工、調達、施工まで委託できる企業を紹介。造りたい建物ごとに強みがある企業をピックアップしているので、依頼に合わせて選択してください。
保育園・図書館
広さの異なる空間が混在する
中規模施設が得意
住宅用柱材に適したMIYAGAWA、大規模で特殊加工に適したHUNDEGGERやUNITEAM等の多彩な機械を保有。様々な広さ・空間へ適した機械を使い分けることで、設計や加工の自由度が広がります。木の特性をいかし意匠性が高く、愛される建築を実現します。
展示場・大規模ホール
大断面集成材を多く必要とする
大規模建築が得意
CLT木材の国内シェアNo.1(※1)を誇る供給力や、大断面集成材専用の工場を保有し量産体制を整えています。大規模建築物のような、多くの構造材が必要になる案件でも、納期を心配することなく安定して木材を確保することができます。
サステナブル施設・店舗
SDGsがテーマの
環境配慮建築が得意
サステナブル建築物等を推進し、先進的な技術を積極的に取り入れています。コンセプト立案から依頼でき、企業の環境配慮における取組姿勢や思いを設計やデザインなどに落とし込みます。企業イメージの向上や環境配慮の姿勢を対外的にアピールすることに繋がります。