宮城県の非住宅木造建築の事例を集めました。県内の公共・民間建築の中で地産材を使っている事例を集めたほか、県内での地産材の利用状況についても解説しています。
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東日本大震災によって被災した児童館を再建する際に、地産材を使って木材のぬくもりのある空間というコンセプトで設計されたものです。使用木材のうち、82%は宮城県産の木材が使われました。構造材として、スギの無垢材や集成材だけでなく、スギやヒノキを使ったLVLを使用するなどの工夫がされています。
テラス部分は太陽光と木のぬくもりでリラックスできるつくりとなっています。授乳室・乳児室では丸太に直接触れて木の手触りを味わうことができるようになっており、宮城県産木材の良さを実感できるものとなりました。
木造建築をめぐる新しい技術の中で、いま注目を浴びている技術のひとつが「CLT」。Cross Laminated Timberの略で、繊維方向を直交させて積層接着した木材のことを指します。建物、家具で使われるようになり、特に厚みのあるものは壁や構造材としても使われるようになりました。そのCLTの普及を目指して設置されたのがこの協議会で、CLTをたっぷり使った木造1階建ての建物となっています。現代的なデザインと木目の美しさが両立する、未来を先取りした建物と言えるでしょう。
上述したCLTを使用した非住宅木造建築は、宮城県内でもその事例が増えています。CLTは高層木造建築をも実現する技術で、既に世界でその利用が始まっているのだそう。日本でも公共物の木造化が推進されており、CLTを使った木造高層建築が一般的になるかもしれません。
宮城県内では、県内の木材需要の多くは住宅分野となっています。しかし人口減少が進む中、住宅着工件数は減少の一途。その中で木材の利用を促進するためには、非住宅分野での推進が課題として立ちはだかります。
まだ非住宅分野での木造建築は一般的にはなっていませんが、今後木造へとシフトしていくために自治体や国でもさまざまな取組みが続けられています。
全国の非住宅木造建築の状況
木材を使用した公共建築物の建設は、2010年に「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が施行されて以降、国と自治体を中心に推進されていますが、まだまだ対応できる工務店や建築会社が少ないのが現状。
このサイトでは、非住宅木造建築の構造設計から委託できる企業を紹介。中規模・大規模・環境配慮といった案件テーマ別におすすめ企業を選定しているので、ぜひ参考にしてください。
非住宅木造建築において、構造設計から木材加工、調達、施工まで委託できる企業を紹介。造りたい建物ごとに強みがある企業をピックアップしているので、依頼に合わせて選択してください。
保育園・図書館
広さの異なる空間が混在する
中規模施設が得意
住宅用柱材に適したMIYAGAWA、大規模で特殊加工に適したHUNDEGGERやUNITEAM等の多彩な機械を保有。様々な広さ・空間へ適した機械を使い分けることで、設計や加工の自由度が広がります。木の特性をいかし意匠性が高く、愛される建築を実現します。
展示場・大規模ホール
大断面集成材を多く必要とする
大規模建築が得意
CLT木材の国内シェアNo.1(※1)を誇る供給力や、大断面集成材専用の工場を保有し量産体制を整えています。大規模建築物のような、多くの構造材が必要になる案件でも、納期を心配することなく安定して木材を確保することができます。
サステナブル施設・店舗
SDGsがテーマの
環境配慮建築が得意
サステナブル建築物等を推進し、先進的な技術を積極的に取り入れています。コンセプト立案から依頼でき、企業の環境配慮における取組姿勢や思いを設計やデザインなどに落とし込みます。企業イメージの向上や環境配慮の姿勢を対外的にアピールすることに繋がります。