木造の建築物は住宅が一般的ですが、近年は非住宅の木造建築物も増加しています。本記事では、非住宅の建築物を木造建築にするメリットやデメリットをご紹介します。建築物の仕様・設計でお悩みの方は、参考にしてください。
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木造建築は、S造・RC造と比べて建築物を軽量にできます。木材は、鉄やコンクリートに比べて軽い素材です。そのため、柱や梁などの構造部へ木材を使用すれば、建築物の重量を軽くできます。
建築物が軽量になると、基礎部分にかかるコストや、材料の輸送コストを削減にも寄与。また、CLT木材を導入した場合、工期の短縮も可能になるでしょう。CLT木材は、あらかじめ工場でパネルを製造するため、現場は組み立てるだけで対応できます。
木目をデザインとして活用できることもメリットでしょう。柱や梁、天井などの構造部は、仕上げ材によって隠してしまうのが一般的です。もし鉄筋やコンクリートが見えたままだと、見る人に無骨なイメージや、未完成な印象を与えるおそれがあります。
木造建築の場合、あえて構造部が見えるようにすることで、木目をデザインの一部にできます。未完成な印象を与える心配もなく、リラックスできる空間を提供可能。仕上材を使用しない分、コストカットも期待できます。
建築物の耐震性や、耐火性を高められる可能性も秘めています。木造建築は、地震に弱い、燃えやすいと考えている方も少なくないでしょう。しかし、CLT木材を採用すれば、木造建築でも十分な耐震性・耐火性を確保できます。
CLT木材を用いた耐震性の実験(振動台実験)では、阪神淡路大震災より大きな力にも耐えると確認されているだけでなく、耐火性に関する実験では、燃える速度が1分間に1mmと、燃えにくいことも判明しています。
建築物の減価償却期間が短くて済む点もメリットといえます。木造建築の減価償却期間は22年で、S造の34年、RC造の39年と比べても短期間で済みます。法定耐用年数が短いことも意味していますが、その分毎年多くの費用を計上可能です。減価償却費が多くなるため、節税にも寄与するでしょう。
減価償却期間が長いS造やRC造は、長期間節税できる強みがあります。一方、売上が多いほど税金が増えるため、節税効果は薄れてしまいます。短期間で集中して節税したい場合、木造建築の検討をおすすめします。
木造建築のデメリットは、メンテナンスの手間が増えてしまう点にあります。木造建築の法定耐用年数は22年ですが、S造・RC造に比べて耐久性が劣るためです。建築物の品質を長期間維持するためには、こまかなメンテナンスが求められます。ただし、建築物の寿命は使用する建築資材の品質にも左右されます。良質な木材を選定すれば、建築物の耐久性を高めることも可能です。
非住宅木造建築において、構造設計から木材加工、調達、施工まで委託できる企業を紹介。造りたい建物ごとに強みがある企業をピックアップしているので、依頼に合わせて選択してください。
保育園・図書館
広さの異なる空間が混在する
中規模施設が得意
住宅用柱材に適したMIYAGAWA、大規模で特殊加工に適したHUNDEGGERやUNITEAM等の多彩な機械を保有。様々な広さ・空間へ適した機械を使い分けることで、設計や加工の自由度が広がります。木の特性をいかし意匠性が高く、愛される建築を実現します。
展示場・大規模ホール
大断面集成材を多く必要とする
大規模建築が得意
CLT木材の国内シェアNo.1(※1)を誇る供給力や、大断面集成材専用の工場を保有し量産体制を整えています。大規模建築物のような、多くの構造材が必要になる案件でも、納期を心配することなく安定して木材を確保することができます。
サステナブル施設・店舗
SDGsがテーマの
環境配慮建築が得意
サステナブル建築物等を推進し、先進的な技術を積極的に取り入れています。コンセプト立案から依頼でき、企業の環境配慮における取組姿勢や思いを設計やデザインなどに落とし込みます。企業イメージの向上や環境配慮の姿勢を対外的にアピールすることに繋がります。