かねてから良質な木材を産出し、家具づくりや楽器づくりも盛んな静岡県。住宅の新規着工の減少が見込まれる現在、非住宅分野での県内産木材の使用を促進する取り組みが行われています。
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草薙総合運動場内の体育館「このはなアリーナ」は、静岡県内産「天竜材」をふんだんに使用した大型スポーツ施設です。メインフロアはバスケットボールやバレーボールのコートが4面取れる大きさで、観客席は2,700席。他に、バスケットボール・コート1面分のサブフロアを備えます。
同アリーナはRC造、PC造、木造と鉄骨のハイブリッド構造で、メインフロアの屋根は256本もの集成材の柱が支えています。この柱には、原木約7,000本、約940m³に相当する「天竜杉」が用いられました。
富士山や駿河湾、静岡市の眺望が楽しめる日本平に建つ日本平夢テラスは、新国立競技場を設計した隈研吾建築都市設計事務所が手掛けたもの。ガラス張りの展望施設と1周200mの展望回廊は八角形をしており、県内産のヒノキで造られています。この八角形の造形は、法隆寺の夢殿からインスピレーションを得たもので、さまざまな方向へ拡張できるという自由さを体現しています。
展望施設内部は開放的なアトリウム。美しい木組みを見上げながら螺旋階段を上っていくと、360度のパノラマ・ビューが楽しめる展望フロアに到着します。展望フロアから展望回廊を歩けば、西は御前崎から東は伊豆半島まで見渡すことができます。
昔から林業が盛んな静岡県では、良質な木材を産出していたことから、国内有数の楽器メーカーが生産拠点を構えるなどしてきました。新築住宅の着工戸数の減少が見込まれる現在は、非住宅分野での木材使用を推進する取り組みが、県をあげて行われています。その代表例として挙げられるのが、非住宅の優良建築を表彰する「木使い施設表彰」。また、設計者を対象とした木材や木造建築に関する知識習得や、木材供給者との情報交換の場である「木使い建築カレッジ」も開催されています。
同県では、県内産の木材を使った体育館などの公共施設が建造されています。
全国の非住宅木造建築の状況
木材を使用した公共建築物の建設は、2010年に「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が施行されて以降、国と自治体を中心に推進されていますが、まだまだ対応できる工務店や建築会社が少ないのが現状。
このサイトでは、非住宅木造建築の構造設計から委託できる企業を紹介。中規模・大規模・環境配慮といった案件テーマ別におすすめ企業を選定しているので、ぜひ参考にしてください。
非住宅木造建築において、構造設計から木材加工、調達、施工まで委託できる企業を紹介。造りたい建物ごとに強みがある企業をピックアップしているので、依頼に合わせて選択してください。
保育園・図書館
広さの異なる空間が混在する
中規模施設が得意
住宅用柱材に適したMIYAGAWA、大規模で特殊加工に適したHUNDEGGERやUNITEAM等の多彩な機械を保有。様々な広さ・空間へ適した機械を使い分けることで、設計や加工の自由度が広がります。木の特性をいかし意匠性が高く、愛される建築を実現します。
展示場・大規模ホール
大断面集成材を多く必要とする
大規模建築が得意
CLT木材の国内シェアNo.1(※1)を誇る供給力や、大断面集成材専用の工場を保有し量産体制を整えています。大規模建築物のような、多くの構造材が必要になる案件でも、納期を心配することなく安定して木材を確保することができます。
サステナブル施設・店舗
SDGsがテーマの
環境配慮建築が得意
サステナブル建築物等を推進し、先進的な技術を積極的に取り入れています。コンセプト立案から依頼でき、企業の環境配慮における取組姿勢や思いを設計やデザインなどに落とし込みます。企業イメージの向上や環境配慮の姿勢を対外的にアピールすることに繋がります。