吉野杉などのブランド材を有する奈良県では、「公共建築物における“奈良の木”利用推進方針」に基づいて、公共・関連施設への県産材の利用を推進。大規模施設の内外装の木質化や木造公共施設の整備が進んでいます。
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奈良県桜井市の「なら食と農の魅力創造国際大学校・農業研究開発センター」は、奈良県農業大学校の改編によって2016年に開校されました。
こちらの交流・サロン棟は、サミットHR工法(木質2方向ラーメン工法)を用いた木造2階建てで、中央にある越屋根が特徴です。吹き抜けになったエントランスホールはこの越屋根の下に位置し、越屋根の下に組まれたリング状の梁を見ることができます。構造材には国産のカラマツが使用され、内装にはスギ、ヒノキといった県産材がふんだんに使われています。県産材の使用量は、233㎥でした。
「そうめん専門店 てのべ たかだや」は、三輪の地で1,200年作られてきた素麺の「可能性と魅力を広げたい」という想いから生まれた店舗。1階に食事処と販売スペース、2階には創業90年を迎えようとしているマル勝髙田商店のオフィスが入っています。
この店舗は、昔ながらの伝統的な技法を駆使して建てられました。柱に伝統的な継ぎ手である「ほぞ加工」を施して、梁を通し木栓や楔留めで固定。金物は使っていません。シンプルな木組みを包み込む吹き抜けの大空間が却って新しさを感じさせるこの建物は、2020年度の「グッドデザイン賞」を受賞しました。
奈良県では、「公共建築物における“奈良の木”利用推進方針」や「奈良県森林づくり並びに林業及び木材産業振興条例」に基づいて、県が整備する公共建築物への県産材の利用を推進しています。それを受けて、奈良県コンベンションセンターや奈良公園バスターミナルなど、大規模なRC造の施設で内外装の木質化が進んでいます。
また、中規模の公共施設や観光関連施設を木造で整備する事業のほか、吉野杉で作られた夫婦箸と箸置きのセットや割り箸のセット、吉野杉の一輪挿しなど、県産材を使った土産品の開発が積極的に行われています。
全国の非住宅木造建築の状況
木材を使用した公共建築物の建設は、2010年に「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が施行されて以降、国と自治体を中心に推進されていますが、まだまだ対応できる工務店や建築会社が少ないのが現状。
このサイトでは、非住宅木造建築の構造設計から委託できる企業を紹介。中規模・大規模・環境配慮といった案件テーマ別におすすめ企業を選定しているので、ぜひ参考にしてください。
非住宅木造建築において、構造設計から木材加工、調達、施工まで委託できる企業を紹介。造りたい建物ごとに強みがある企業をピックアップしているので、依頼に合わせて選択してください。
保育園・図書館
広さの異なる空間が混在する
中規模施設が得意
住宅用柱材に適したMIYAGAWA、大規模で特殊加工に適したHUNDEGGERやUNITEAM等の多彩な機械を保有。様々な広さ・空間へ適した機械を使い分けることで、設計や加工の自由度が広がります。木の特性をいかし意匠性が高く、愛される建築を実現します。
展示場・大規模ホール
大断面集成材を多く必要とする
大規模建築が得意
CLT木材の国内シェアNo.1(※1)を誇る供給力や、大断面集成材専用の工場を保有し量産体制を整えています。大規模建築物のような、多くの構造材が必要になる案件でも、納期を心配することなく安定して木材を確保することができます。
サステナブル施設・店舗
SDGsがテーマの
環境配慮建築が得意
サステナブル建築物等を推進し、先進的な技術を積極的に取り入れています。コンセプト立案から依頼でき、企業の環境配慮における取組姿勢や思いを設計やデザインなどに落とし込みます。企業イメージの向上や環境配慮の姿勢を対外的にアピールすることに繋がります。