日本有数のヒノキ材の生産量を誇る岡山県は、県産材を使ったCLTパネルの普及を進めています。CLT建築の研究者や建築家との産官学の連携によって公共施設の整備に取り組むほか、海外への販路拡大を図っています。
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岡山県英田郡の「西粟倉村庁舎」は、西粟倉村役場、西粟倉村議会議場を兼ねる「あわくらホール」、図書館、生涯学習施設、セルフカフェコーナーなどを備えた「村民が“生きるを楽しむ”ための拠点施設」として生まれました。
RC造と木造の混構造。嵌合接合による軸組構法をベースに、屋根形状と内部空間に応じて、サスペントラス構造、張弦梁、波形重ね透かし梁という3種類の屋根架構を使い分けています。内装の大部分に使われているのは村内産のスギとヒノキで、家具も村内の木を使って村の職人が作ったもの。仕上げ剤には、亜麻仁油を主原料とした塗料が使われました。使用された木材の、実に97%が村内産です。
岡山県英田郡の「道の駅あわくらんど」のトイレは、岡山県が普及を進めているCLTパネル工法を用いた建築物で、同工法を用いて県が整備した施設の第1号です。ログハウスのような外観の建物の、木材使用量は150㎥。うちCLT使用量は123㎥と、木材のほとんどがCLTパネルでした。
複雑に組み合わされた大梁には、幾何学的な美しさがあります。上部に大きく空間を取った、換気と採光に優れた構造です。この建築物は、2018年の「ウッドデザイン賞 ソーシャルデザイン部門」に入賞しました。
日本有数のヒノキ材の生産量を誇る岡山県では、「おかやまの木で家づくり支援事業」や「おかやまの木の住まい整備促進事業」を通して、認証材を使った住宅建設を支援しています。一方で、CLTの利用促進に力を入れており、林業、木材、建築の各関係団体、CLT製造業者、行政で構成される「岡山県CLT普及促進会議」を設置。CLTを利用した建築物の設計を支援する取り組みや、CLT工法と他の工法との建築コストの比較を行うことで、CLTの普及を図っています。
さらに、県産材を使ったCLTの海外への販路の拡大を念頭に、国外の展示会への出展や、バイヤーの招聘なども行なっています。
全国の非住宅木造建築の状況
木材を使用した公共建築物の建設は、2010年に「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が施行されて以降、国と自治体を中心に推進されていますが、まだまだ対応できる工務店や建築会社が少ないのが現状。
このサイトでは、非住宅木造建築の構造設計から委託できる企業を紹介。中規模・大規模・環境配慮といった案件テーマ別におすすめ企業を選定しているので、ぜひ参考にしてください。
非住宅木造建築において、構造設計から木材加工、調達、施工まで委託できる企業を紹介。造りたい建物ごとに強みがある企業をピックアップしているので、依頼に合わせて選択してください。
保育園・図書館
広さの異なる空間が混在する
中規模施設が得意
住宅用柱材に適したMIYAGAWA、大規模で特殊加工に適したHUNDEGGERやUNITEAM等の多彩な機械を保有。様々な広さ・空間へ適した機械を使い分けることで、設計や加工の自由度が広がります。木の特性をいかし意匠性が高く、愛される建築を実現します。
展示場・大規模ホール
大断面集成材を多く必要とする
大規模建築が得意
CLT木材の国内シェアNo.1(※1)を誇る供給力や、大断面集成材専用の工場を保有し量産体制を整えています。大規模建築物のような、多くの構造材が必要になる案件でも、納期を心配することなく安定して木材を確保することができます。
サステナブル施設・店舗
SDGsがテーマの
環境配慮建築が得意
サステナブル建築物等を推進し、先進的な技術を積極的に取り入れています。コンセプト立案から依頼でき、企業の環境配慮における取組姿勢や思いを設計やデザインなどに落とし込みます。企業イメージの向上や環境配慮の姿勢を対外的にアピールすることに繋がります。