
環境への負荷、住宅性能やその意匠性など、さまざまなメリットで注目されている非住宅木造建築。福島県内で建てられた非住宅木造建築の実例を集めてご紹介しています。地産材利用の状況などもまとめてみました。
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引用元:ウッドデザイン賞受賞作品データベース公式HP(https://www.wooddesign.jp/db/production/73/)
内外装に福島県産の材料を活用して建てられた事例です。議場には、不燃処理したスギの横格子を使用。家具には圧密加工した国見町産のスギ材が使われています。また柱と梁の断面構造にも工夫があり、集成材の耐火被覆がされているのがポイント。火事が起きても集成材部分が炭化することで、火が広がるのを遅らせ、また中の鋼材の温度上昇を抑えるという機能性の面でも優れています。
この庁舎は、被災した庁舎を再新築したもの。地域材を使い、地域への親しみを感じさせるデザイン・設計を目指して建てられました。
引用元:北洲ハウジング公式HP(https://www.hokushuhousing.co.jp/case/2107/)
北洲ハウジングは、何十年と長い年月を暮らす家の美しさを実現してくれる住宅会社です。時を経てもなお美しい、ヨーロッパの建物や風景にインスピレーションを受けたいえづくりが特徴と言えます。
そんな北洲ハウジングが手掛けたのが、自社のショールーム兼オフィス。「オフィス=四角いコンクリートのビル」というイメージを覆すものとなりました。あちこちに柱や梁が露出していて、また壁にもウォルナット材を貼ったりして、木のぬくもりが感じられるデザインに仕上がりました。
福島県産の地域材の利用推進状況は、具体的なデータはないものの県としては積極的な啓蒙活動を推進しているようです。とりわけ製材業で労働力不足が進んでいる中、若手の新規就業者の増加を目指して現場見学会やインターンシップを開催しています。
上の事例にもあるように、福島県産の木材を使った建築は次々と建てられています。実際、非住宅木造建築の割合もほぼ右肩上がりと言える状況です。今後も木造建築物は増えていくのではないかと予想されます。そんな中で、福島の気候の中で育ち、福島の気候にフィットした特性をもつ地域材は、これからも利用が進められていくことでしょう。
全国の非住宅木造建築の状況
木材を使用した公共建築物の建設は、2010年に「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が施行されて以降、国と自治体を中心に推進されていますが、まだまだ対応できる工務店や建築会社が少ないのが現状。
このサイトでは、非住宅木造建築の構造設計から委託できる企業を紹介。中規模・大規模・環境配慮といった案件テーマ別におすすめ企業を選定しているので、ぜひ参考にしてください。
非住宅木造建築において、構造設計から木材加工、調達、施工まで委託できる企業を紹介。造りたい建物ごとに強みがある企業をピックアップしているので、依頼に合わせて選択してください。
保育園・図書館
広さの異なる空間が混在する
中規模施設が得意
住宅用柱材に適したMIYAGAWA、大規模で特殊加工に適したHUNDEGGERやUNITEAM等の多彩な機械を保有。様々な広さ・空間へ適した機械を使い分けることで、設計や加工の自由度が広がります。木の特性をいかし意匠性が高く、愛される建築を実現します。
展示場・大規模ホール
大断面集成材を多く必要とする
大規模建築が得意
CLT木材の国内シェアNo.1(※1)を誇る供給力や、大断面集成材専用の工場を保有し量産体制を整えています。大規模建築物のような、多くの構造材が必要になる案件でも、納期を心配することなく安定して木材を確保することができます。
サステナブル施設・店舗
SDGsがテーマの
環境配慮建築が得意
サステナブル建築物等を推進し、先進的な技術を積極的に取り入れています。コンセプト立案から依頼でき、企業の環境配慮における取組姿勢や思いを設計やデザインなどに落とし込みます。企業イメージの向上や環境配慮の姿勢を対外的にアピールすることに繋がります。
【選定条件】
2024/05/10時点、木造建築物を中心とした普及・発展の取り組みを行う「一般社団法人日本CLT協会」のHPにて、正会員かつ相談先企業として掲載されている35社(※2)のうち、構造設計を委託できる旨を確認できた19社を選定。
そのうち、建築物の依頼別に以下企業を選定しています。
・中規模建築物(ティンバラム)…HUNDEGGERなどのプレカットマシンを豊富に取り扱っていることから、空間に応じたマシンの使い分けが必要な中規模建築に適していると判断。
・大規模建築(銘建工業)…唯一、大規模建築に活用する大断面の木材加工を専門とした工場を持っていることから、大規模建築に適していると判断。
・環境配慮建築(住友林業)…サステナブル建築物等先導事業など新しい技術を取り入れていることから、環境配慮建築に適していると判断。
※1参照元:銘建工業公式(https://www.meikenkogyo.com/recruit/number/)2022年日本CLT協会調べ
※2参照元:一般社団法人日本CLT協会(https://clta.jp/partner/?this_partner_field%5B%5D=構造設計&searchText=)