建築物の構造は、木造以外にもS造やRC造があり、広く普及しています。法令の改正や技術・素材の進歩によって、木造建築も増加していますが、コストが気になる方は少なくないでしょう。ここでは、木造と他の構造と比べたコストの違いや、コストダウンのポイントをご紹介します。
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非住宅の木造建築では、主にCLTと呼ばれるパネルを用いています。CLTは技術開発が進んでいるものの、平均的な単価は1平方メートルあたり67,000円です。1坪に換算すると、約22万円の費用がかかります(2022年5月30日調査時点)。
一方、S造の坪単価は17万円(屋根と外壁下地材完了含む)とされています(2022年5月30日調査時点)。建築コストでは、CLTが不利といえます。
RC造のコストは1平方メートルあたり24万円と試算されています(2022年5月30日調査時点)。CLTより高く見えますが、以下の資料ではCLTを1平方メートルあたり27万円と試算している点に注意が必要です。また、2016年のデータであり、現在とは原材料費が異なります。
S造やRC造と比較して、木造がコスト面で優位とはいえませんが、さまざまなコストダウンの方法があります。
まず検討したいのは、基礎や地盤にかかるコストです。木造はS造・RC造よりも建築物の重量が軽く、基礎や地盤への負担は大きくありません。必要な地耐力も小さいため、基礎工事費・地盤改良費を削減する余地があります。
使用する木材の種類もコストに影響します。CLTは強固で耐震・耐火性が備わっている反面、コストは高めです。そのため、CLTが不要な部分は他の木材への置き換えも検討の余地があります。
補助金の活用も実質的なコストダウンに繋がります。木造建築には、さまざまな補助金・助成金制度があります。大部分の補助金は条件を定めていますが、活用を検討してはいかがでしょうか。
コストパフォーマンスのよい木造建築を実現する場合、メンテナンスコストも考慮する必要があります。建築物の性能や品質を維持するためには、適正なメンテナンスが欠かせません。木造は法定耐用年数が22年で、S造やRC造と比べて早く劣化が進む可能性があります。建築コスト削減も重要ですが、メンテナンスコストも考慮して設計することが重要です。
メンテナンスコストは、耐久性のある建築資材を採用したり、保守点検しやすい構造にしたりなど、抑制する手段もあります。木造で建築物を建てる際は、竣工後のコストも視野に入れておきましょう。
非住宅木造建築において、構造設計から木材加工、調達、施工まで委託できる企業を紹介。造りたい建物ごとに強みがある企業をピックアップしているので、依頼に合わせて選択してください。
保育園・図書館
広さの異なる空間が混在する
中規模施設が得意
住宅用柱材に適したMIYAGAWA、大規模で特殊加工に適したHUNDEGGERやUNITEAM等の多彩な機械を保有。様々な広さ・空間へ適した機械を使い分けることで、設計や加工の自由度が広がります。木の特性をいかし意匠性が高く、愛される建築を実現します。
展示場・大規模ホール
大断面集成材を多く必要とする
大規模建築が得意
CLT木材の国内シェアNo.1(※1)を誇る供給力や、大断面集成材専用の工場を保有し量産体制を整えています。大規模建築物のような、多くの構造材が必要になる案件でも、納期を心配することなく安定して木材を確保することができます。
サステナブル施設・店舗
SDGsがテーマの
環境配慮建築が得意
サステナブル建築物等を推進し、先進的な技術を積極的に取り入れています。コンセプト立案から依頼でき、企業の環境配慮における取組姿勢や思いを設計やデザインなどに落とし込みます。企業イメージの向上や環境配慮の姿勢を対外的にアピールすることに繋がります。