山形県で建てられた非住宅木造建築の実例を集めてご紹介しています。秋田県内での地産材利用の状況などもまとめてみました。
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南陽市の文化会館で、音楽から舞台芸能までさまざまな催し物を想定してつくられました。1,403席の大ホールは、木造建築ならではのやわらかい響きと質感、ダイナミックかつ美しい音をもつとされています。もう一つのホールは平土間型で、梁や天井の無垢材の美しいデザインがなされました。
2017年に公開されている林野庁木材利用課の資料によると、全国初となる木造耐火による文化ホールで、ドーム建築を除いては国内でも有数の規模の木造耐火建築物。南陽産のスギ材を柱として耐火加工を行い、耐震性を持たせることで防災拠点としての機能を有する建築物となりました。
交流ラウンジ部分には巨大な柱。荘厳ささえ感じさせる立派な八本柱となっています。
地域産材の良さ、地域の大工の技能を活かした公共建築として建てられたのが、鶴岡市立朝日中学校。地域のシンボルを目指して建てられました。樹齢80年前後の市有林のスギ材、そして鶴岡産のスギ材を利用しています。
豪雪地帯である鶴岡市に建てられる大型木造建築として、雪対策やメンテナンス性にも配慮した構造。内装では、職人の技が生きる格子壁と300角の無垢柱が支える小屋組、通年で光を取り入れるために廊下と一体となった教室・オープンスペースなど、個性的な設計の光る事例となりました。
山形県では、もともと公共建築物の木造率が比較的高い地域です。国土交通省建築着工統計調査(各年度)のデータを元に林野庁が試算した資料によると、山形県の公共建築物の木造率(延べ床面積ベース)は、2018年には木造率が30%以上となるなど、積極的な取組みがなされてきました。地産材の消費を促す自治体の動きもあり、森林資源を地域産業に結び付けて産業振興と雇用創出が目指されています。
一方で、地域材の利用促進については具体的なデータはありませんが、耐火技術や大断面集成材の開発が進み、地域材が使われる環境は整ってきているところ。豊富な森林資源を有する山形県ならではの地域材の活用や利用促進の施策の展開が期待されています。
全国の非住宅木造建築の状況
木材を使用した公共建築物の建設は、2010年に「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が施行されて以降、国と自治体を中心に推進されていますが、まだまだ対応できる工務店や建築会社が少ないのが現状。
このサイトでは、非住宅木造建築の構造設計から委託できる企業を紹介。中規模・大規模・環境配慮といった案件テーマ別におすすめ企業を選定しているので、ぜひ参考にしてください。
非住宅木造建築において、構造設計から木材加工、調達、施工まで委託できる企業を紹介。造りたい建物ごとに強みがある企業をピックアップしているので、依頼に合わせて選択してください。
保育園・図書館
広さの異なる空間が混在する
中規模施設が得意
住宅用柱材に適したMIYAGAWA、大規模で特殊加工に適したHUNDEGGERやUNITEAM等の多彩な機械を保有。様々な広さ・空間へ適した機械を使い分けることで、設計や加工の自由度が広がります。木の特性をいかし意匠性が高く、愛される建築を実現します。
展示場・大規模ホール
大断面集成材を多く必要とする
大規模建築が得意
CLT木材の国内シェアNo.1(※1)を誇る供給力や、大断面集成材専用の工場を保有し量産体制を整えています。大規模建築物のような、多くの構造材が必要になる案件でも、納期を心配することなく安定して木材を確保することができます。
サステナブル施設・店舗
SDGsがテーマの
環境配慮建築が得意
サステナブル建築物等を推進し、先進的な技術を積極的に取り入れています。コンセプト立案から依頼でき、企業の環境配慮における取組姿勢や思いを設計やデザインなどに落とし込みます。企業イメージの向上や環境配慮の姿勢を対外的にアピールすることに繋がります。