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埼玉県で非住宅木造を建てる

埼玉県内で建てられた非住宅木造建築の実例を集めてご紹介しています。地産材利用の状況などもまとめてみました。

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埼玉県の地域材を使った
非住宅木造建築事例

杉戸町立泉保育園

杉戸町立泉保育写真
引用元:木造建築設計情報プラット公式HP(http://www.kiwoikasu-plat.jp/contents/case/form.php?Caseid=96&act=view)

杉戸町にある、子育て支援センター兼児童館を併設する保育園の事例です。木造平屋建てで、準耐火建築物として設計されています。

県産の木材をふんだんに使って建てられた事例で、構造材はすべて埼玉県産の木材。設計上の注目点は、大断面集成材を使わずに大空間をつくっていること。木材を上下に重ね合わせる「重ね梁構法」や、木材を三角形の連続体にして組み合わせる立体トラス構法を組み合わせ、一般に流通している規格の木材で建てることができました。

毛呂山町立 ゆずの里保育園

ゆずの里保育園写真
引用元:毛呂山町公式(https://www.town.moroyama.saitama.jp/soshikikarasagasu/kodomoka/hoikugakari/4_2/2_1/1529.html)

市街地に位置しながら川や緑に恵まれた環境に建つ、木造平屋建ての公立保育園。園舎や建具に埼玉県内産材を用い、室内は木の香りと落ち着いた明るさが感じられる内装に。園庭は芝生化され、保育室から屋外へ連続する動線で活動の幅が広がります。公式ページに木造平屋・県産材使用の記載と施設写真があり、地域の素材を身近に感じられる場となっています。

小鹿野町役場 新庁舎


小鹿野町役場新庁舎写真
引用元:ウッドデザイン賞 受賞作品DB(https://www.wooddesign.jp/db/production/1950/)

町有林材を活用した木造2階建・nearly ZEBの新庁舎。温かみのある木質空間をまちの“居場所”として開き、省エネと再エネによる環境配慮も重視。中大規模木造に適した技術を採り入れ、地域資源の循環と公共施設の快適性を両立しています。

郷土資料館・旧新井家住宅

郷土資料館・旧新井家住宅写真
引用元:長瀞町役場(https://www.town.nagatoro.saitama.jp/nagatoro-2/siryokan/)

旧新井家住宅は、秩父地方に多かった養蚕農家の姿を伝える木造建築を移築保存した施設です。 板葺き屋根と太い木組みが特徴で、資料館と一体で地域の歴史を紹介。館内外の写真が公開されており、 木の架構や外観の様子を確認できます。非住宅の木造として、伝統的な構法を今に伝える事例です。

埼玉県農業大学校

埼玉県農業大学校写真
引用元:株式会社シェルター 施工例(https://shelter.inc/works/551562864534)

2015年の移転新築。講堂・事務・ゼミ・食堂など9棟を回廊で結ぶ分棟構成で、構造材料には県産スギ・ヒノキの集成材を100%採用。 木架構を見せる意匠で、床や壁にも県産材を用いています。 写真ギャラリーで各棟の外観・内部の木構造が確認でき、教育施設における大規模木造整備と地域材活用の実例として参照性が高い事例です。

埼玉県の地域材の利用推進状況

埼玉県では、各市町村から「木造建築に精通する人材が不足している」「県産木材に関する情報が足りない」という声を吸い上げ、県産木材を利用しやすい環境の整備に乗り出しました。木造建築技術アドバイザーや木造建築技術者講習会を利用して市町村を支援し、公共建築の木造化・木質化を目指しています。

その結果としての地域材の利用率に関してはデータがないのですが、公共建築物の木造率は年々向上が見られます。国土交通省建築着工統計調査(各年度)のデータを元に林野庁が試算した資料によると、埼玉県の公共建築物の木造率(延べ床面積ベース)は、2010年は7.7%に過ぎませんでしたが、2018年には17.9%と大きく向上しています。都市部が多く、大型建築が多くなる埼玉では公共建築の木造率が低くなりやすいと考えられますが、それでも年々木造率が上がっていることは注目に値します。

参照元:林野庁公式HP「都道府県別公共建築物の木造率の状況」【PDF】(https://www.rinya.maff.go.jp/j/press/riyou/attach/pdf/220323-2.pdf)

全国の非住宅木造建築の状況

木材を使用した公共建築物の建設は、2010年に「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が施行されて以降、国と自治体を中心に推進されていますが、まだまだ対応できる工務店や建築会社が少ないのが現状です。
そこで、非住宅木造建築に対応できる企業選びがますます重要になっています。
構造設計に深い知見を持つ企業の中から、非住宅木造建築に対応できるおすすめの3社を「展示場・大規模ホール」「保育園・図書館」「サステナブル施設・店舗」といった建築物の種類ごとにご紹介します。構造設計から委託できる信頼の企業を厳選していますので、ぜひご参考ください。

参照元:e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/422AC0000000036)

非住宅木造の
構造設計から
委託できる企業3選

建築物別│非住宅木造建築の
構造設計から委託できる会社3選

非住宅木造建築において、構造設計から木材加工、調達、施工まで委託できる企業を紹介。造りたい建物ごとに強みがある企業をピックアップしているので、依頼に合わせて選択してください。

         

展示場・大規模ホールの
依頼なら

大断面集成材を多く必要とする
大規模建築が得意

銘建工業
大東建託 「ROOFLAG賃貸住宅未来展示場」イメージ
引用元HP:銘建工業公式HP
(https://www.meikenkogyo.com/works/2434/)

CLT木材の国内シェアNo.1(※1)を誇る供給力や、大断面集成材専用の工場を保有し量産体制を整えています。大規模建築物のような、多くの構造材が必要になる案件でも、納期を心配することなく安定して木材を確保することができます。

         

保育園・図書館の
依頼なら

広さの異なる空間が混在する
中規模施設が得意

ティンバラム
南三陸町生涯学習センターイメージ
引用元HP:ティンバラム公式HP
(https://timberam.co.jp/works/works-256/)

住宅用柱材に適したMIYAGAWAミヤガワ、大規模で特殊加工に適したHUNDEGGERフンデガー UNITEAMユニチーム 等の多彩な機械を保有。様々な広さ・空間へ適した機械を使い分けることで、設計や加工の自由度が広がります。木の特性をいかし意匠性が高く、愛される建築を実現します。

サステナブル施設・店舗の
依頼なら


SDGsがテーマの
環境配慮建築が得意

住友林業
物品販売店舗・事務所イメージ
引用元HP:住友林業公式HP
(https://sfc.jp/mocca/case/case03_07.html)

サステナブル建築物等を推進し、先進的な技術を積極的に取り入れています。コンセプト立案から依頼でき、企業の環境配慮における取組姿勢や思いを設計やデザインなどに落とし込みます。企業イメージの向上や環境配慮の姿勢を対外的にアピールすることに繋がります。

【選定条件】
2024/05/10時点、木造建築物を中心とした普及・発展の取り組みを行う「一般社団法人日本CLT協会」のHPにて、正会員かつ相談先企業として掲載されている35社(※2)のうち、構造設計を委託できる旨を確認できた19社を選定。
そのうち、建築物の依頼別に以下企業を選定しています。
・中規模建築物(ティンバラム)…HUNDEGGERなどのプレカットマシンを豊富に取り扱っていることから、空間に応じたマシンの使い分けが必要な中規模建築に適していると判断。
・大規模建築(銘建工業)…唯一、大規模建築に活用する大断面の木材加工を専門とした工場を持っていることから、大規模建築に適していると判断。
・環境配慮建築(住友林業)…サステナブル建築物等先導事業など新しい技術を取り入れていることから、環境配慮建築に適していると判断。
※1参照元:銘建工業公式(https://www.meikenkogyo.com/recruit/number/)2022年日本CLT協会調べ
※2参照元:一般社団法人日本CLT協会(https://clta.jp/partner/?this_partner_field%5B%5D=構造設計&searchText=