富山県で建てられた非住宅木造建築の実例を集めてご紹介しています。地産材利用の状況などもまとめてみました。
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富山県滑川市の児童館です。市有林からの材料調達を行っているのですが、工事の前年度に既に材料調達をスタート。原木をあらかじめ支給しておくことで、製材・乾燥にかかる時間を十分とって工事を行いました。設計面では、木材感を強調した材の仕様が特徴的。玄関の立派なスギ丸太柱に象徴されるように、木のテイストを前面に押し出しています。ストローグ社の各種コネクタをつかって大断面接合を行い、広々とした空間を実現しています。
また建物の劣化をできるだけ防ぐために、1.2mの深い軒を設置。これにより、雨風による外壁の劣化を防ぎ、修繕費用のコスト節約を図るといった工夫もされました。
有峰ハウスは、4mにも達する雪が降るエリアに建てられた木造建築です。富山県産材をふんだんに使い、木の魅力をたっぷり味わえる施設となりました。大黒柱は、推定樹齢230年というネズコ。壁や梁はスギを使い、すべて有峰で産出された木材を使っています。
表しの梁や差し鴨居など、伝統的な工法を採用している点も特徴的。間口を広く取り、シンプルで大きくガッチリとした構造になっています。見かけや化粧にまどわされない、剛健な印象となりました。なお、内部壁は漆喰を使用。木造建築ならではのテイストにマッチしています。
富山県では、公共建築物の木造化が着実に進んでいます。国土交通省建築着工統計調査(各年度)のデータを元に林野庁が試算した資料によると、富山県の公共建築物の木造率(延べ床面積ベース)は2010年には6.8%に過ぎませんでしたが、2017年、2018年、2019年のいずれも20%以上。積極的な木材利用が進んでいることがわかります。これらの建築物が地産材をどれくらい使っているのかデータは残っていませんが、滑川市児童館や有峰ハウスのようにその土地で産出された木材による建築も存在すると考えられます。
今後はより一層公共建築、あるいは民間施設の木造化・木質化が進み、それにあわせて地産材の利用も増加していくことでしょう。
全国の非住宅木造建築の状況
木材を使用した公共建築物の建設は、2010年に「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が施行されて以降、国と自治体を中心に推進されていますが、まだまだ対応できる工務店や建築会社が少ないのが現状。
このサイトでは、非住宅木造建築の構造設計から委託できる企業を紹介。中規模・大規模・環境配慮といった案件テーマ別におすすめ企業を選定しているので、ぜひ参考にしてください。
非住宅木造建築において、構造設計から木材加工、調達、施工まで委託できる企業を紹介。造りたい建物ごとに強みがある企業をピックアップしているので、依頼に合わせて選択してください。
保育園・図書館
広さの異なる空間が混在する
中規模施設が得意
住宅用柱材に適したMIYAGAWA、大規模で特殊加工に適したHUNDEGGERやUNITEAM等の多彩な機械を保有。様々な広さ・空間へ適した機械を使い分けることで、設計や加工の自由度が広がります。木の特性をいかし意匠性が高く、愛される建築を実現します。
展示場・大規模ホール
大断面集成材を多く必要とする
大規模建築が得意
CLT木材の国内シェアNo.1(※1)を誇る供給力や、大断面集成材専用の工場を保有し量産体制を整えています。大規模建築物のような、多くの構造材が必要になる案件でも、納期を心配することなく安定して木材を確保することができます。
サステナブル施設・店舗
SDGsがテーマの
環境配慮建築が得意
サステナブル建築物等を推進し、先進的な技術を積極的に取り入れています。コンセプト立案から依頼でき、企業の環境配慮における取組姿勢や思いを設計やデザインなどに落とし込みます。企業イメージの向上や環境配慮の姿勢を対外的にアピールすることに繋がります。