枠組壁工法(2×4工法)は、非住宅の木造建築で注目されている工法の一つです。日本では住宅に採用されるケースが多い一方、同工法を用いた中規模建築物の採用事例もあります。ここでは、枠組壁工法(2×4工法)の特徴やメリット・デメリットをご紹介します。
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枠組壁工法(2×4工法)は、主に2インチ×4インチの木材を使用した工法。面構造が特徴で、6つパネルで構成された箱型になっています。パネルは、2インチ×4インチの木材を組み合わせて枠を作成し、構造用の面材を接着しています。なお、ツーバイフォー工法とも呼ばれており、日本では一般住宅での採用が目立ちます。
一方、東京の銀座には枠組壁工法(2×4工法)を用いた5階建てのビル(店舗併用住宅)があります。1階部分はRC造ですが、2階以上を枠組壁工法(2×4工法)で建築しています。また、敷地は防火地域にあり、耐火建築物に対応させている点も特徴です。
枠組壁工法(2×4工法)は、構造部を面でしっかりと支えます。そのため、非住宅の木造建築物にも対応できる可能性を秘めています。低層・中層の木造建築を検討中であれば、枠組壁工法(2×4工法)を採用してみてはいかがでしょうか。
枠組壁工法(2×4工法)のメリットとして、災害にしっかり備えられる点が挙げられます。一般的な軸組工法は、建築物を柱や梁などの線で支えていますが、枠組壁工法(2×4工法)は、面で建築物を支えるため、地震や台風などの災害に強いのが特徴。阪神淡路大震災や東日本大震災では、枠組壁工法(2×4工法)で建築された一般住宅の大部分が全半壊を免れたとされています。
高断熱を実現可能な点もメリットと言えるでしょう。枠組壁工法(2×4工法)は、6つの面で構成されており、軸組工法と比べて高い機密性があります。壁などには断熱材も組み合わせるため、外気の影響を受けにくく、室内の熱を逃しにくい環境が生まれます。断熱性能が高まることで、光熱費や冷暖房設備の導入コストを削減できるのです。
また、枠組壁工法(2×4工法)で使用するパネルは規格化されており、現場では組み立てるのみで済みます。パネルはあらかじめ工場で製造されるため、工期の短縮や、それに伴うコスト削減も期待できます。
枠組壁工法(2×4工法)は、レイアウトの自由度の低さがデメリットになります。規格化された6面構造を基準に設計するため、壁の位置や空間の広さには制約があります。軸組工法ほどの自由度はありません。枠組壁工法(2×4工法)は、建築物を壁で支えており、壁を除去すると建築物の強度が下がるおそれがあります。間取りの変更も難しいため、リフォームする際には注意が必要です。
また、大きな間口を必要とする場合には向いていません。壁を取り除くのが難しいため、吹き抜けや大空間の確保が必要な建築物では、他の工法が適しているでしょう。
非住宅木造建築において、構造設計から木材加工、調達、施工まで委託できる企業を紹介。造りたい建物ごとに強みがある企業をピックアップしているので、依頼に合わせて選択してください。
保育園・図書館
広さの異なる空間が混在する
中規模施設が得意
住宅用柱材に適したMIYAGAWA、大規模で特殊加工に適したHUNDEGGERやUNITEAM等の多彩な機械を保有。様々な広さ・空間へ適した機械を使い分けることで、設計や加工の自由度が広がります。木の特性をいかし意匠性が高く、愛される建築を実現します。
展示場・大規模ホール
大断面集成材を多く必要とする
大規模建築が得意
CLT木材の国内シェアNo.1(※1)を誇る供給力や、大断面集成材専用の工場を保有し量産体制を整えています。大規模建築物のような、多くの構造材が必要になる案件でも、納期を心配することなく安定して木材を確保することができます。
サステナブル施設・店舗
SDGsがテーマの
環境配慮建築が得意
サステナブル建築物等を推進し、先進的な技術を積極的に取り入れています。コンセプト立案から依頼でき、企業の環境配慮における取組姿勢や思いを設計やデザインなどに落とし込みます。企業イメージの向上や環境配慮の姿勢を対外的にアピールすることに繋がります。