大阪府では、府内産のスギやヒノキの「おおさか材」認証制度を設けているほか、公共施設の木質化といった事業を通じて利用を推進しています。府内産材を使った老人福祉施設や保育施設などの建築も進んでいます。
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大阪府泉佐野市にある「くすのき」は、介護老人保健施設と交流施設を兼ねた小規模多機能ホームです。構法は不明ですが、床や柱、外壁に大阪府産のスギやヒノキを使用。府産材の使用量は162㎥となっています。
老人福祉施設が重視するポイントのひとつに、歩行時や転倒時の怪我のリスクが挙げられます。コンクリート床と比較した場合、木製の床では高齢者が転倒した際の骨折リスクが1/10程度に抑えられるといわれており、怪我のリスクが低い建材であることがわかります。また、木造の建物からは温もりや優しさを感じられ、高齢者がリラックスして過ごすための施設に適しています。
大阪府富田林市の老人ホーム「春の家」は、府内産のヒノキとスギ81㎥を使用して建造されました。2階にある会議室の内装は、梁や束が現しになった大空間です。床一面と腰壁は無垢板張りになっており、勾配天井と壁は漆喰で仕上げられた、明るく開放感のある造りです。
同施設によると、木の家にノスタルジーを感じる人が多いため、木の癒しに包まれて安らぎのある生活を送れるとのこと。構造材が現しになっているので、木の香りがたっぷりと感じられそうです。
大阪府南部に広がる「河内林業地」はスギやヒノキの植林地で、ここで育った木は「おおさか河内材」として流通しています。河内長野市の「ウッドベースかわちながの」では、森林組合と設計士、工務店が立ち上げた「おおさか河内材利用促進ネットワーク協議会」が地元材や自然素材を使った建築に関する相談に対応。また、千早赤阪村にある「La Foresta(ラ・フォレスタ)」でも、府の森林・林業に関する情報発信を行っています。
また、「大阪府内産木材利用促進モデル整備等業務」によって、公共施設のカフェスペースやラウンジを府内産木材を多用したものに造り替える事業を進めています。
全国の非住宅木造建築の状況
木材を使用した公共建築物の建設は、2010年に「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が施行されて以降、国と自治体を中心に推進されていますが、まだまだ対応できる工務店や建築会社が少ないのが現状。
このサイトでは、非住宅木造建築の構造設計から委託できる企業を紹介。中規模・大規模・環境配慮といった案件テーマ別におすすめ企業を選定しているので、ぜひ参考にしてください。
非住宅木造建築において、構造設計から木材加工、調達、施工まで委託できる企業を紹介。造りたい建物ごとに強みがある企業をピックアップしているので、依頼に合わせて選択してください。
保育園・図書館
広さの異なる空間が混在する
中規模施設が得意
住宅用柱材に適したMIYAGAWA、大規模で特殊加工に適したHUNDEGGERやUNITEAM等の多彩な機械を保有。様々な広さ・空間へ適した機械を使い分けることで、設計や加工の自由度が広がります。木の特性をいかし意匠性が高く、愛される建築を実現します。
展示場・大規模ホール
大断面集成材を多く必要とする
大規模建築が得意
CLT木材の国内シェアNo.1(※1)を誇る供給力や、大断面集成材専用の工場を保有し量産体制を整えています。大規模建築物のような、多くの構造材が必要になる案件でも、納期を心配することなく安定して木材を確保することができます。
サステナブル施設・店舗
SDGsがテーマの
環境配慮建築が得意
サステナブル建築物等を推進し、先進的な技術を積極的に取り入れています。コンセプト立案から依頼でき、企業の環境配慮における取組姿勢や思いを設計やデザインなどに落とし込みます。企業イメージの向上や環境配慮の姿勢を対外的にアピールすることに繋がります。