病院や福祉施設、学校や庁舎の建築にぜひ取り入れたい、住宅以上の温かみが感じられる非住宅木造建築。こちらでは、沖縄県の地域材を使った建築事例をまとめて紹介しています。
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延床面積496.25平方メートル、木造平屋建ての村立保育所の事例です。県産材の使用量は全体量の1%未満ですが、県産材を使用した公共建築物となっています。県産材はリュウキュウマツで、径の小さい木材でも使用することができる化粧板の平板として壁に使用。屋根を高く設計して風通しを良くした点も、沖縄ならではのデザインです。
また園児が使用する机とイスはすべて県産材で製作され、子供たちが県産材のぬくもりを感じながら過ごせる保育所となりました。
地域材の使用は不明ですが、台風が多く高温多湿な沖縄の気候で断熱効果の高いCLT材を活用するという試みで、一般社団法人日本ウッドデザイン協会主催のウッドデザイン賞ハートフルデザイン部門で2019年受賞した建築です。延床面積は1万1970平方メートル、RC造に一部木造の地下1階、地上1階建てです。2019年に開業しました。
チェックイン棟と出発ラウンジ棟の2棟をCLTによる2タイプの木造屋根で構成。木のぬくもりを感じることができるCLT空港として、南国にふさわしいリゾート感あふれる雰囲気の空港になりました。
戦前の沖縄の建築といえば、木造平屋建てに琉球赤瓦を漆喰で固めた琉球建築が主流でした。しかし太平洋戦争で多くが焼失して、戦後は米軍が提供した2×4(ツーバイフォー)工法を採用。この工法も木材の入手や台風、シロアリの問題などで普及せず、結果的にコンクリート造が沖縄の主な建築物となりました。そのような中で、琉球建築の良さが見直されたり、台風やシロアリの問題を解決した素材や技術により、沖縄での木造建築物はわずかながら増加しています。
また沖縄県は2012年3月に「公共建築物における木材の利用の促進に関する沖縄県方針」を適用。地域材の定義には県産のほか九州産を含めて、地域材を優先的に使用しながら伝統的建築技術の継承と沖縄らしい街並みの形成を促しています。
国土交通省建築着工統計調査(各年度)のデータを元に林野庁が試算した資料によると、沖縄県の公共建築物の木造率(延べ床面積ベース)は、地域材という条件は含まれていませんが、2010年の0.1%から、2019年は0.6%とわずかですが伸びました。
全国の非住宅木造建築の状況
木材を使用した公共建築物の建設は、2010年に「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が施行されて以降、国と自治体を中心に推進されていますが、まだまだ対応できる工務店や建築会社が少ないのが現状。
このサイトでは、非住宅木造建築の構造設計から委託できる企業を紹介。中規模・大規模・環境配慮といった案件テーマ別におすすめ企業を選定しているので、ぜひ参考にしてください。
非住宅木造建築において、構造設計から木材加工、調達、施工まで委託できる企業を紹介。造りたい建物ごとに強みがある企業をピックアップしているので、依頼に合わせて選択してください。
保育園・図書館
広さの異なる空間が混在する
中規模施設が得意
住宅用柱材に適したMIYAGAWA、大規模で特殊加工に適したHUNDEGGERやUNITEAM等の多彩な機械を保有。様々な広さ・空間へ適した機械を使い分けることで、設計や加工の自由度が広がります。木の特性をいかし意匠性が高く、愛される建築を実現します。
展示場・大規模ホール
大断面集成材を多く必要とする
大規模建築が得意
CLT木材の国内シェアNo.1(※1)を誇る供給力や、大断面集成材専用の工場を保有し量産体制を整えています。大規模建築物のような、多くの構造材が必要になる案件でも、納期を心配することなく安定して木材を確保することができます。
サステナブル施設・店舗
SDGsがテーマの
環境配慮建築が得意
サステナブル建築物等を推進し、先進的な技術を積極的に取り入れています。コンセプト立案から依頼でき、企業の環境配慮における取組姿勢や思いを設計やデザインなどに落とし込みます。企業イメージの向上や環境配慮の姿勢を対外的にアピールすることに繋がります。