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沖縄県で非住宅木造を建てる

病院や福祉施設、学校や庁舎の建築にぜひ取り入れたい、住宅以上の温かみが感じられる非住宅木造建築。こちらでは、沖縄県の地域材を使った建築事例をまとめて紹介しています。

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沖縄県の地域材を使った
非住宅木造建築事例

東村立保育所

東村立保育所写真
引用元:Xyladecor公式HP(https://www.xyladecor.jp/works/detail.php?file_id=083_higashison)

延床面積496.25平方メートル、木造平屋建ての村立保育所の事例です。県産材の使用量は全体量の1%未満ですが、県産材を使用した公共建築物となっています。県産材はリュウキュウマツで、径の小さい木材でも使用することができる化粧板の平板として壁に使用。屋根を高く設計して風通しを良くした点も、沖縄ならではのデザインです。

また園児が使用する机とイスはすべて県産材で製作され、子供たちが県産材のぬくもりを感じながら過ごせる保育所となりました。

みやこ下地島空港ターミナル

みやこ下地島空港ターミナル写真
引用元:ウッドデザイン賞受賞作品データベース公式HP(https://www.wooddesign.jp/db/production/1134/)

地域材の使用は不明ですが、台風が多く高温多湿な沖縄の気候で断熱効果の高いCLT材を活用するという試みで、一般社団法人日本ウッドデザイン協会主催のウッドデザイン賞ハートフルデザイン部門で2019年受賞した建築です。延床面積は1万1970平方メートル、RC造に一部木造の地下1階、地上1階建てです。2019年に開業しました。

チェックイン棟と出発ラウンジ棟の2棟をCLTによる2タイプの木造屋根で構成。木のぬくもりを感じることができるCLT空港として、南国にふさわしいリゾート感あふれる雰囲気の空港になりました。

参照元:ウッドデザイン賞受賞作品データベース公式HP(https://www.wooddesign.jp/db/production/1134/)

沖縄県の地域材の利用推進状況

戦前の沖縄の建築といえば、木造平屋建てに琉球赤瓦を漆喰で固めた琉球建築が主流でした。しかし太平洋戦争で多くが焼失して、戦後は米軍が提供した2×4(ツーバイフォー)工法を採用。この工法も木材の入手や台風、シロアリの問題などで普及せず、結果的にコンクリート造が沖縄の主な建築物となりました。そのような中で、琉球建築の良さが見直されたり、台風やシロアリの問題を解決した素材や技術により、沖縄での木造建築物はわずかながら増加しています。

また沖縄県は2012年3月に「公共建築物における木材の利用の促進に関する沖縄県方針」を適用。地域材の定義には県産のほか九州産を含めて、地域材を優先的に使用しながら伝統的建築技術の継承と沖縄らしい街並みの形成を促しています

国土交通省建築着工統計調査(各年度)のデータを元に林野庁が試算した資料によると、沖縄県の公共建築物の木造率(延べ床面積ベース)は、地域材という条件は含まれていませんが、2010年の0.1%から、2019年は0.6%とわずかですが伸びました。

参照元:林野庁公式HP「都道府県別公共建築物の木造率の状況」【PDF】(https://www.rinya.maff.go.jp/j/press/riyou/attach/pdf/220323-2.pdf)

全国の非住宅木造建築の状況

木材を使用した公共建築物の建設は、2010年に「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が施行されて以降、国と自治体を中心に推進されていますが、まだまだ対応できる工務店や建築会社が少ないのが現状。
このサイトでは、非住宅木造建築の構造設計から委託できる企業を紹介。中規模・大規模・環境配慮といった案件テーマ別におすすめ企業を選定しているので、ぜひ参考にしてください。

参照元:e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/422AC0000000036)

非住宅木造の構造設計から
委託できる企業3選

建築物別│非住宅木造建築の
構造設計から委託できる会社3選

非住宅木造建築において、構造設計から木材加工、調達、施工まで委託できる企業を紹介。造りたい建物ごとに強みがある企業をピックアップしているので、依頼に合わせて選択してください。

保育園・図書館

広さの異なる空間が混在する
中規模施設が得意

ティンバラム
南三陸町生涯学習センターイメージ
引用元HP:ティンバラム公式HP
(https://timberam.co.jp/works/works-256/)

住宅用柱材に適したMIYAGAWAミヤガワ、大規模で特殊加工に適したHUNDEGGERフンデガーUNITEAMユニチーム等の多彩な機械を保有。様々な広さ・空間へ適した機械を使い分けることで、設計や加工の自由度が広がります。木の特性をいかし意匠性が高く、愛される建築を実現します。

展示場・大規模ホール

大断面集成材を多く必要とする
大規模建築が得意

銘建工業
大東建託 「ROOFLAG賃貸住宅未来展示場」イメージ
引用元HP:銘建工業公式HP
(https://www.meikenkogyo.com/works/2434/)

CLT木材の国内シェアNo.1(※1)を誇る供給力や、大断面集成材専用の工場を保有し量産体制を整えています。大規模建築物のような、多くの構造材が必要になる案件でも、納期を心配することなく安定して木材を確保することができます。

サステナブル施設・店舗

SDGsがテーマの
環境配慮建築が得意

住友林業
物品販売店舗・事務所イメージ
引用元HP:住友林業公式HP
(https://sfc.jp/mocca/case/case03_07.html)

サステナブル建築物等を推進し、先進的な技術を積極的に取り入れています。コンセプト立案から依頼でき、企業の環境配慮における取組姿勢や思いを設計やデザインなどに落とし込みます。企業イメージの向上や環境配慮の姿勢を対外的にアピールすることに繋がります。

【選定条件】
2024/05/10時点、木造建築物を中心とした普及・発展の取り組みを行う「一般社団法人日本CLT協会」のHPにて、正会員かつ相談先企業として掲載されている35社(※2)のうち、構造設計を委託できる旨を確認できた19社を選定。
そのうち、建築物の依頼別に以下企業を選定しています。
・中規模建築物(ティンバラム)…HUNDEGGERなどのプレカットマシンを豊富に取り扱っていることから、空間に応じたマシンの使い分けが必要な中規模建築に適していると判断。
・大規模建築(銘建工業)…唯一、大規模建築に活用する大断面の木材加工を専門とした工場を持っていることから、大規模建築に適していると判断。
・環境配慮建築(住友林業)…サステナブル建築物等先導事業など新しい技術を取り入れていることから、環境配慮建築に適していると判断。
※1参照元:銘建工業公式(https://www.meikenkogyo.com/recruit/number/)2022年日本CLT協会調べ
※2参照元:一般社団法人日本CLT協会(https://clta.jp/partner/?this_partner_field%5B%5D=構造設計&searchText=