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群馬県で非住宅木造を建てる

群馬県は、群馬県産のツーバイフォー材の利用を促進している地域。木造建築の導入が進められています。そんな群馬県で建てられた非住宅木造建築の実例を集めてご紹介しています。地産材利用の状況などもまとめてみました。

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群馬県の地域材を使った
非住宅木造建築事例

吉祥寺書院

吉祥寺書院写真
引用元:関工務所HP(https://se-seki.jp/hijutaku/kichishoji.html)

庭園の美しさで有名な、利根郡川湯村にあるお寺です。彫刻など、細部までこだわって建てられた木造建築の事例で、お寺という歴史を感じさせる建築でありながら内部のデザインはモダンに仕上げられました。もちろん伝統的な木造建築、お寺の空気は残していますが、天井や柱の見せ方、風合いなどはかなり現代的。時代にあった建築を、という空気を感じます。

にしきの保育園

にしきの保育園写真
引用元:亦野建築設計事務所公式HP(https://www.matanosekkei.com/works/にしきの保育園/)

住宅街のなかに建てられた保育園の事例です。外観は、形状や仕上材料にバリエーションを持たせて、住宅街の風景になじむようにデザインされています。屋内は、天井の高い開放的な食堂部分を中心に据え、L字型に各部屋を配置することで部屋の間の連携がとりやすいように工夫されています。

また子供が利用する施設なので、家具の角はすべて曲面に加工するという徹底ぶり。建具にも指つめ防止機能を設けるなど、子供に合わせて設計された事例となりました。

くらぶち小栗の里(高崎市)

くらぶち小栗の里写真
引用元:群馬県ホームページ(https://www.pref.gunma.jp/page/9052.html)

直売所や食事処、交流スペースを備える地域拠点。木造の架構を現しで見せ、内外で木の質感を感じられる計画です。里山に開いた建物として、日常利用と観光の両面で使いやすさを意識しています。

構造は木造2階建て(一部RC)。延べ床約1,596㎡、木材利用量は約227㎥(すべて県産材)。平成26年度完成の公共施設で、地域材活用の具体例として参照できます。

前橋市総社歴史資料館(前橋市)

前橋市総社歴史資料館写真
引用元:前橋フィールドミュージアム(https://maebashi-bunkazai.jp/modules/info/index.php?action=PageView&page_id=12)

旧施設の酒蔵をイメージした木造公共施設。柱・梁が表れる真壁や小屋組表し、杉板天井など、木の表情を素直に伝える内装で落ち着いた展示環境を整えています。部材は一般流通寸法を採用し、施工性にも配慮。

木造2階建て、延べ床約633㎡。木材利用量は約117㎥(県産材約75㎥)。平成27年度完成で、地域材を要所に使いながら、コンパクトな博物館機能をまとめた事例です。

森林機能活用研修施設「木森れ陽」(上野村)

木森れ陽写真
引用元:群馬県ホームページ(https://www.pref.gunma.jp/page/9052.html)

合宿や研修、体験学習に対応する木造2階建ての施設。内部は木部を現しとし、用途に応じて空間を柔らかく分節。自然に近い環境で滞在しやすい場づくりが意識されています。

延べ床約484㎡、木材利用量は約71㎥(すべて県産材)。平成27年度完成。上野村の森林資源を背景に、地域材で整えた研修施設の実例として位置づけられます。

群馬県農業技術センター(伊勢崎市)

群馬県農業技術センター写真
引用元:群馬県ホームページ(https://www.pref.gunma.jp/page/9053.html)

県の研究拠点。本館は鉄骨造一部木造2階、会議棟は鉄骨造一部木造1階とし、共用部や会議空間で木材を積極的に使用。研究施設としての機能を保ちながら、来訪者にも配慮した木質空間を整えています。

延べ床は本館約1,970㎡・会議棟約421㎡、木材利用量は約76㎥(すべて県産材)。平成25年度完成。業務施設における木材利用の具体的な手掛かりとなる事例です。

群馬県の地域材の利用推進状況

群馬県では、県産の木材を県内で加工した群馬産のツーバイフォー材の生産・利用促進に取り組んでいます。展示会への出展や、建築士向けのセミナーを開催するなど積極的な取組みが続けられていて、地域材の新たな需要を創出することができました。主にスギやヒノキが使われています。

もともと群馬県は、公共建築物の木造率が高い県です。国土交通省建築着工統計調査(各年度)のデータを元に林野庁が試算した資料によると、群馬県の公共建築物の木造率(延べ床面積ベース)は、2016年から毎年20%を超えており、他県と比べても高い数値となっています。木造建築の利用促進は着実に進んでいると言えるのではないでしょうか。

参照元:林野庁公式HP「都道府県別公共建築物の木造率の状況」【PDF】(https://www.rinya.maff.go.jp/j/press/riyou/attach/pdf/220323-2.pdf)

全国の非住宅木造建築の状況

木材を使用した公共建築物の建設は、2010年に「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が施行されて以降、国と自治体を中心に推進されていますが、まだまだ対応できる工務店や建築会社が少ないのが現状です。
そこで、非住宅木造建築に対応できる企業選びがますます重要になっています。
構造設計に深い知見を持つ企業の中から、非住宅木造建築に対応できるおすすめの3社を「展示場・大規模ホール」「保育園・図書館」「サステナブル施設・店舗」といった建築物の種類ごとにご紹介します。構造設計から委託できる信頼の企業を厳選していますので、ぜひご参考ください。

参照元:e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/422AC0000000036)

非住宅木造の
構造設計から
委託できる企業3選

建築物別│非住宅木造建築の
構造設計から委託できる会社3選

非住宅木造建築において、構造設計から木材加工、調達、施工まで委託できる企業を紹介。造りたい建物ごとに強みがある企業をピックアップしているので、依頼に合わせて選択してください。

         

展示場・大規模ホールの
依頼なら

大断面集成材を多く必要とする
大規模建築が得意

銘建工業
大東建託 「ROOFLAG賃貸住宅未来展示場」イメージ
引用元HP:銘建工業公式HP
(https://www.meikenkogyo.com/works/2434/)

CLT木材の国内シェアNo.1(※1)を誇る供給力や、大断面集成材専用の工場を保有し量産体制を整えています。大規模建築物のような、多くの構造材が必要になる案件でも、納期を心配することなく安定して木材を確保することができます。

         

保育園・図書館の
依頼なら

広さの異なる空間が混在する
中規模施設が得意

ティンバラム
南三陸町生涯学習センターイメージ
引用元HP:ティンバラム公式HP
(https://timberam.co.jp/works/works-256/)

住宅用柱材に適したMIYAGAWAミヤガワ、大規模で特殊加工に適したHUNDEGGERフンデガー UNITEAMユニチーム 等の多彩な機械を保有。様々な広さ・空間へ適した機械を使い分けることで、設計や加工の自由度が広がります。木の特性をいかし意匠性が高く、愛される建築を実現します。

サステナブル施設・店舗の
依頼なら


SDGsがテーマの
環境配慮建築が得意

住友林業
物品販売店舗・事務所イメージ
引用元HP:住友林業公式HP
(https://sfc.jp/mocca/case/case03_07.html)

サステナブル建築物等を推進し、先進的な技術を積極的に取り入れています。コンセプト立案から依頼でき、企業の環境配慮における取組姿勢や思いを設計やデザインなどに落とし込みます。企業イメージの向上や環境配慮の姿勢を対外的にアピールすることに繋がります。

【選定条件】
2024/05/10時点、木造建築物を中心とした普及・発展の取り組みを行う「一般社団法人日本CLT協会」のHPにて、正会員かつ相談先企業として掲載されている35社(※2)のうち、構造設計を委託できる旨を確認できた19社を選定。
そのうち、建築物の依頼別に以下企業を選定しています。
・中規模建築物(ティンバラム)…HUNDEGGERなどのプレカットマシンを豊富に取り扱っていることから、空間に応じたマシンの使い分けが必要な中規模建築に適していると判断。
・大規模建築(銘建工業)…唯一、大規模建築に活用する大断面の木材加工を専門とした工場を持っていることから、大規模建築に適していると判断。
・環境配慮建築(住友林業)…サステナブル建築物等先導事業など新しい技術を取り入れていることから、環境配慮建築に適していると判断。
※1参照元:銘建工業公式(https://www.meikenkogyo.com/recruit/number/)2022年日本CLT協会調べ
※2参照元:一般社団法人日本CLT協会(https://clta.jp/partner/?this_partner_field%5B%5D=構造設計&searchText=